精神病症状の早期発症と大麻使用の間には関係がある

Acta Psychiatr Scand 2011; Advance online publication
英語版 配信日 2011-09-07

MedWire News:精神病高リスク者の大麻使用と、精神病症状の早期発症の間には有意な関連があると、オランダの研究者らは報告している。

「多くの研究が示すように、大麻使用と精神病発症の間には明らかな関連性がある。しかし、大麻使用と精神病初期症状(あるいは後方視的に見た場合の前駆症状)発現の関係は不明である」と、University of Amsterdam(アムステルダム大学)のD LinszenらはActa Psychiatrica Scandinavica誌の中で説明している。

そこでLinszenらは、統合失調症前駆症状・認知障害の構造化面接(Structured Interview for Prodromal Syndromes and/or Cognitive Disturbances)の基準に従い、精神病リスクが高いと判断された16~35歳の242例のデータを分析した。

統合国際診断面接(Composite International Diagnostic Interview)により、大麻使用に関するデータを収集し、18ヵ月間の追跡調査を行った。

その結果、102例(42.0%)が、過去に5回以上大麻を使用したことがあると答え、45例(18.4%)が大麻使用障害と診断された。初めて大麻を使用した年齢の平均値は17.3歳、大麻依存または大麻乱用の平均初発年齢は17.9歳であった。

追跡調査期間中に合計で37例が明らかな精神病を発症し、このうち15例(40.5%)に大麻使用歴があった。

大麻使用と明らかな精神病への移行、大麻使用障害の診断と精神病への移行の間に、有意な関係は認められなかった。

しかし、性別や社会適応、アルコール使用障害など、潜在的な交絡因子による補正を行った結果、初めて大麻を使用した年齢が低いほど、精神病初期症状(不安、接触回避、抑うつ気分、現実感喪失、思考や集中力の低下)の発症年齢が有意に低かった。

また補正を行った結果、大麻使用障害の発病年齢が低いほど、不安、接触回避、記憶障害、思考や集中力の低下の発症年齢が有意に低かった。

大麻使用障害のない者よりも、大麻使用障害のある者の方が、こうした影響はより一層顕著であった。

さらに、ほとんどの被験者は、精神病初期症状が生じる以前に大麻を使用していた。

Linszenらは次のように結論づけている。「大麻使用は、脆弱性のある個人の精神病発症に重要な役割を果たしていることが、本研究結果から裏づけられた」。

「青年期初期の大麻使用は防止すべきである」。

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あるに決まっているって昔から思っていたがなぁ