録画しておいたので見た
選挙のあとに流した理由もよく分かる
ヘッジファンドの次の餌食は日本国債だと言われて久しい
2012年12月の総選挙では自民党が圧勝したので
自民党は「我々の積極財政が評価された」と公言し、
日銀もそれに対応して一層の緩和を進めると態度表明した
自民党の得票数そのものは実は全く伸びていないのだが
いままでなるべく曖昧にしてはっきりしないままで15年間なんとか持たせてきたのに
騒ぎ立てると日本国債がヘッジファンドの餌食になるだけだろう、
騒いでくれるとは困った人たちだというのが実際のところだろうが
もうそんな局面なので、
どうなっても文句言わないでね、という趣旨の番組らしい
まじめに将来を考えて欲しいというならば
当然、総選挙前に流すべき番組だったはずである
総選挙後に流すのは「何が起こっても、自分で選んだことなんだからね」と念を押すためなのだろう
意地悪なことだ
ーー
経済のグローバル化が進行すれば当然デフレが進行する
国民消費者にとっては良いことだし
企業努力を引き出す原動力になる
それを、デフレが悪いと責めるのも倒錯した話である
物価が安い、賃金が安い、その環境で工夫してやっていくしかない
世界で一番賃金が高くて
世界部一番物価が高くて
世界で一番貯蓄率が高い国だったのは
関税障壁もあり非関税障壁もあり、日本語の壁もあり、それらの結果だろう
グローバル化は賛成だけれどもデフレは反対というのは矛盾していると思う
グローバル化しつつ、デフレも起こさないというのは、本質的な経済成長がなければならないだろう
たとえばかつて国営織物工場を始めて国民生活を変えたり
国営製鉄所を作って企業活動の基礎材料にしたり
トヨタやソニーが生活を変える提案をしたり
そのような「成長素材」がなければならないだろう
グローバル化の先にあるのは
富裕化ではなくて
貧富の差の拡大であることを受け入れるしかない
壊れかけているトンネルや橋を修理するのはもちろん必要であるが
必要のないところにお金が回って消えてしまうのがこの国である
耐震補強しましょうと言って最初に「税務署」を補強するのである
巨大公共投資を考えたところで結局老後の貯蓄に回り
そのお金で銀行が日本国債を買い、着々と危機は拡大するのだろう
ーー
デフレ脱却と通貨の信認の両立は難しいのだと
日銀総裁が言っているが、そのとおりで
ほんとうはデフレならばデフレなりの生活をおくることが必要だろう
収入に応じた生活をすることができないのは
やはりどこか心理的に病気なのだと思う
たとえば、テレビや新聞やネットで流れている商品広告で
つまらないもの、必要がないもの、生活を根本的に買えるようなものが何もないという
消費意欲の出ない現状である
老人用の無意味なサプリメントやおむつのまとめ買いとか格安粗悪の老眼鏡とか
そんなものばかり
ーー
日本国債の危機がいつ来るのかわからないが
そのときはヘッジファンドの餌食になり
日本の富がヘッジファンドに奪われる
そのとき日本の富を奪われた責任がどこにもないらしいのは
本当に呆れる話だ
ヘッジファンドから国の富を守る責任者は誰で、どんな権限が与えられて、どんな責任をとるのか
まったく不明確である
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威勢のいい無責任な発言が
ヘッジファンドを喜ばせているのは確実だ
次の日銀総裁あたりがババ抜きのババを引いてしまうのではないかと思う
そのときは総理大臣もさすがに責任を取るのだろう
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子供を増やすことはできないようだ
移民を受け入れるのもできないようだ
収入に応じた暮らしをすることもできないようだ
この三つしかないのにどれもできない
だから危機は近いと番組の中で語る人がいたが
実に単純明快な話だと思う
働かない、収入がない、でも散財はやめない、それで破産
実はその先には
昔韓国で起きたような破産処理が予定されていて
TPPであれこれ言わなくても
強制的にアメリカ化が完了する予定もありそうである
そうなれば環太平洋地域で人の移動も容易になり
日本の事情に縛られることなく人々は人生を選択できるようになるだろう
それがグローバル化である
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退職後に年金を有効に使うために
海外移住を考える人もいる
しかし最近、その費用が高額化しているらしいとの話もあった
これもグローバル化の一端なのだろう
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法人税が高いので法人は逃げる
所得税が高いので高額所得層は逃げる
英語教育や中国語教育に不便だから日本から逃げる
なによりも少子高齢化を解決できないから日本から逃げる
逃げられない事情の人だけが残る
そしてその人たちのお金が
ヘッジファンドにかすめ取られる