【ニューヨーク・ロイター=共同】米疾病対策センター(CDC)のフリーデン所長は5日、ニューヨークで記者会見し、米国の病院ではカルバペネム耐性腸内細菌科(CRE)細菌の院内感染が過去10年間で徐々に拡大しており、2012年上半期は全病院の3.9%で院内感染が発生、一部の専門病院では17.8%に達したことを明らかにした。
CRE細菌は、本来、ヒトの消化管や土壌に存在する大腸菌など70種超の細菌類の総称で、カルバペネムという強力な抗生物質も効かないため「悪夢の細菌」と呼ばれている。院内で治療を受けた際の血流感染によって広がるが、薬に対する耐性が次第に強まっており、死亡率は50%近くに達するという。
フリーデン所長によると、2001年にはCRE細菌が見つかったのは1州だけだったが、現在では42州にまで拡大した。