夢の一場面 非常に鮮明な夢
テレビ画面に何かの画面が映っている
物語の一部であることも拒むような
ただそれだけの物体
しかしその物体の語るものは私にだけは生々しい
そして私は周囲の人間に語るのだが
語る瞬間に生々しさは剥ぎ取られ
感情は過去のものになり
現在の生々しい生起が過去の物語の文字に変換されてゆく
ーー
悲しみや理不尽さを言葉に変換して我慢しやすくするというのは
普段我々が用いている方法なのだが
この場面ではその方法に復讐されている
周囲の人に核心部分が伝わらなくてもどかしい
ーー
あるいはそのもどかしさは
夢特有のだまし絵なのかもしれない