脳を欲動系と見るか抑制系と見るかは人によって見解が異なると思うが
欲動は根源的であまり複雑ではないと思う
そして抑制系が非常に複雑に発達しているのが人間の脳だと思う
だからたいていは高次脳機能が壊れると
元気になりすぎる、つまり抑制が取れてしまう
適切な時に適切な場所で適切な抑制が効く人間が高級な人間であると定義してもいいだろう
随分威勢がいいなあとか元気があるなあという場合
往々にして抑制系の機能停止が起こっているのである
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人間には気分の波があるし勘違いもあるものなので
自分が正しいと思っただけで行動して良いというものでもない
その場合の「脳の外部抑制系」として高級宗教を考えることができるだろう
おおむねは禁止の形で戒律が定められている
それは自然の脳に備わった抑制系の不足を補う抑制系だと考えて良いと思う
そう考えてみると
日本人にとっての外部的抑制系は何だろうかということになる
神道はあまり抑制的ではない
仏教は時代によるがやはりそれほど抑制的ではない
四書五経とか宋学などは抑制的だと思う
マントラを唱えてみてもさしあたってなにかの役に立つとも思われない
それよりは四書五経と宋学のほうが抑制系の発達には役に立つ
統治にも都合がいいだろう
外部的な抑制系としての宗教が欠如している場合に
「空気」が代用を果たすのかもしれない