コンドーム、80歳まで重要 テストステロン血中濃度は35歳から80歳まで高水準

米国内分泌学会は(ENDO)は、発行するEndocrine News誌9月号で「中高年のセックス教育が重要」と呼びかけている。80歳まではテストステロンの血中濃度は高水準になると指摘。その上で、80歳までは性活動に積極的であることを否定する必要はなく、常にコンドームを着用するよう指導し続けるべきであると強調した。
 学会は、最近の研究として、57歳から64歳までの73%、65歳から74歳までの53%、75歳から85歳までの26%が性的に活発だと説明。今、中高年層の性感染症の感染率が高まりつつあると警告した。Sexuall Transmitted Infections誌によれば、ここ10年間で感染率が2倍になった。理由は「妊娠の懸念がなく、コンドームを使わないから」と想定する。米疾患対策センター(CDC)によると、国では新規HIV感染症の17%、新規AIDS診断者の23%は50歳以上となっているという。
性感染症多い高齢層
 性感染症が増える要因として、長寿化や離婚率の上昇がある。さらに、医学的な背景としては、女性の膣内のpHが高くなり、性感染症に感染しやすくなることのほか、男性ではED治療薬を使う人の方が性感染症になりやすいと報告されていることが考えられている。
 学会は「性感染症が多いからといって、禁欲を強いるべきではない」と説明。男性ならば35歳から80歳までテストステロンの血中濃度は高水準であると解説した上で、「セックスの時にコンドームを着用するよう指導するのが大切」と強調している。