“ ナイチンゲールたちは病院内に入らずともできる仕事、どの部署の管轄にもなっていないために放置同然だった病院の便所掃除に目をつけ、まず便所掃除を始めることによって病院内へ割りこんでいった。
つぎに、これも管轄が曖昧で人手がなかった衣類の洗濯をはじめた。
こうして清潔な衣類が手に入るようになり、病院での兵士の死亡率は急激に改善された。
ナイチンゲールたちはほとんど常に行動を阻まれたが、迂回し何か他のできることを行って事態を改善し、少しずつ、次第に大きく病院運営に関わる事に成功した。
後にナイチンゲールたちによって明らかになることであるが、彼女たちが着任後に死亡率は上昇(42%)していたが、衛生状態の改善により死亡率は改善した。
2月に約42%まで跳ね上がっていた死者は4月に 14.5%、5月に5%になったことが後に判明した。
兵舎病院での死者は、大多数が傷ではなく、病院内の不衛生(蔓延する感染症)によるものだったと後に推測された。”