“「リクルートに入ると、低学歴の世界に衝撃を受ける。」というのである。
リクルートと言えば、今や押しも押されぬ大企業であり就職人気ランキング入りの常連企業である。
毎年有名大学を出た優秀な若者が多数就職していく。
ところが彼らのやっているということはようは地域密着型広告代理店である。
かの有名な飛び込み名刺交換研修をみてわかるとおり、彼らの顧客は、飲食店、不動産、美容院やら、旅館、中小企業やら、そういうそこらへんにある地場のローカル企業が主要顧客なのだ。
こういう地場の店舗・企業、つまりオーナー社長やら、店長やらに頭を下げてうちの媒体に広告を出してください、とお願いして回るのが主たる業務であり収益源である。
この過程で彼らは、人生観を塗り替えるカルチャーショックを受けるという。
一流大学を出て、一流企業に就職して、出世競争に勝ちぬいて、役職がついて、それでようやく手に入るお金が平均年収1000万円かそこら。
そう信じていたのが、この実業のビジネスの世界だと、そこらへんの地場企業のオーナー社長が、一介のサラリーマンがどう逆立ちしても稼ぐ事のできないほどの報酬を平気で得ていたりする。もちろん、ここは学歴関係無しの世界で、大学に行くこと自体が珍しかったりするのだ。今まで自分が当たり前だと思っていた世界とは何だったのか、と思うらしい。
そして自分のビジネス領域には勘がえらくさえてるオーナー社長も、時代の波の変化やイノベーションにはてんで無頓着だったりする。
仕事をしてどっぷりその世界につかっていくうちに、いつしか「これはチャンスなのになぁ。俺やったら、もっとうまくやれるのになぁ。正直、あのおっさんでも成功できるんだったら、俺でもできるやろ。」という感情にかわる。それで起業に踏み切る。だからリクルート出身で起業する人は担当していた業界で起業する。そして今までの業界の矛盾や非効率な構造を変えるような仕組みをつくり、大成功する。というのだ。”
— 低学歴の世界と高学歴の世界が交わるとき、そこには膨大な金脈が広がる。