支配と服従 隷属と帰依

人間の精神には
宗教部分の形式は備わっているものの
内容が欠落しているので
それぞれの文化によって
内容を補充している

その内容については
かなり許容度が高いが
共通しているのは葬式に関係しているということだ

人間は記憶を持ち、その逆方向の延長として未来を考えるようになったので、
必然的に個人の死を考えるようになった

故人の死という恐怖や限界を乗り越える思考装置として宗教が必要になった

宗教は帰依と服従を要求する
その回路が人間にも適用されて
個人崇拝やカリスマ、絶対権力者といった類型が発生する

その場合に宗教回路だけではなく
「躁状態回路」も利用されることが多いようである
どの独裁者も民衆の熱狂により、少なくとも一時期は支持される

やがて熱狂は冷めて次の熱狂に移行する
形式だけはいつもあるので内容を次々に取り替える

ーー
躁状態は人懐っこい可愛いところもあるものだけれど
ある局面では熱狂のうちに残虐にもなる

宗教回路と同様に躁状態回路も、
形式は誰にでもあるのだが
内容はその時その時の偶然である