日本のミジンコ、全て北米由来 交尾せず多様性なし 東北大
2015年4月16日(木)配信朝日新聞
日本にいるミジンコは、どれも北米出身の4匹のメスから増えた「外来種」であるとの解析結果を東北大の占部(うらべ)城太郎教授(生態学)らのチームが論文にまとめた。オスと交尾せず、メスだけで子を産む「単為生殖」によって、同じ遺伝子型を持つクローンばかりが増えたらしい。
全国の池など300カ所以上を調べ、このうち35カ所で採集できた200匹のDNAを解析した。遺伝子型は4種類だけで、どれも北米にいる種の雑種だった。わずかな変異の頻度から日本に来た時期を逆算すると、全国に広く分布する2種類は700~3千年前。西日本の一部で採取された2種類はごく近年だった。
どれも乾燥に強い「休眠卵」を交尾せずに産む特殊なタイプ。池が干上がるなどの危機にすばやく対応でき、在来種との競争に勝った可能性もあるという。
占部さんは「日本のミジンコは交尾せず多様性を作れないので、集団としての寿命がやがて尽きる。新たな移入がなければ日本から消えてしまうだろう」と話す。