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認知と行動を変えるテクニックのひとつが「考え方の癖」に気づいて修正することだ。これはうつ病の予防にも使える。落ち込んだり不安になったりしたときは、たいてい考え方の癖に陥っている。
例えば「一般化のしすぎ」という癖。
一つの失敗や嫌な出来事だけを根拠に「いつも○○だ」と考える。仕事の一部のミスを注意されただけなのに、私的な自分も含めて全否定する。そういう人には「違うよ。ここだけ改善したらいいよね」と声をかける。
次は、関係ないことまで自分の責任だと判断する癖。
夫や妻が不機嫌そうな顔をしていると、自分は悪くないのにそわそわする。そういうときは「私が唯一の理由ではない」と言い聞かせて冷静になり、「どうかしたの」と聞いてみる。自分の思考を疑い、客観的になることも大切だ。
三つ目は、根拠がない推論をする癖。
歩いてきた友人に声をかけたが、目も合わさずに通り過ぎた。とっさに「無視された」と考えた。それだけで一日中ショックを引きずってしまう。うつにならない人は「気づかなかっただけかな」とすぐ修正する。
ほかにも、自分の欠点を実際より過大に、長所を過小に考える「過大評価と過小評価」、客観的事実でなく自分がどう感じているかで状況を判断する「感情による決めつけ」などの癖がある。
いくつ当てはまるか。イライラしたとき、落ち込んだときに、こういう癖に気づくと修正がかけやすくなる。
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