東日本大震災が原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)を生じた患者に漢方薬を飲ませたところ、不眠などの症状が改善したと、東北大病院の高山真准教授(44)(内科)の研究グループが発表した。  使われたのは「柴胡桂枝乾姜湯さいこけいしかんきょうとう」と呼ばれる漢方薬で、甘草やカキ殻など7種類の生薬を含む。研究では、震災後に動悸どうきや不眠、感情不安定などの症状を訴えた患者の集団に対し、この漢方薬を1日3回服用させた。2週間後、PTSDの症状をアンケートで確認したところ、服用しなかった患者の集団に比べ、大幅

 東日本大震災が原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)を生じた患者に漢方薬を飲ませたところ、不眠などの症状が改善したと、東北大病院の高山真准教授(44)(内科)の研究グループが発表した。
 使われたのは「柴胡桂枝乾姜湯さいこけいしかんきょうとう」と呼ばれる漢方薬で、甘草やカキ殻など7種類の生薬を含む。研究では、震災後に動悸どうきや不眠、感情不安定などの症状を訴えた患者の集団に対し、この漢方薬を1日3回服用させた。2週間後、PTSDの症状をアンケートで確認したところ、服用しなかった患者の集団に比べ、大幅な改善がみられたという。
 PTSDの治療には一般的に抗うつ剤が使われるが、飲んでから効果が出るまでに約2週間かかるほか、吐き気などの副作用を伴いやすいとされている。薬の効果が出ても、自己判断で服用を中断すれば一時的に症状が悪くなる恐れもある。
 高山准教授は「大災害などの非常時は、精神科や心療内科で専門医による治療を受けることが難しい場合もある。漢方薬は副作用が少なく、かかりつけ医に相談しながら安全に飲めるメリットがある」としている。