社会的支援および帰属感は男性の自殺に対する強力な防御因子になりうる。 自殺は家族や友人に甚大な影響を与える重大な公衆衛生上の問題の1つであり、頻度は女性よりも男性が高い。自殺リスクの予測はいまだむずかしく、予測に利用しうる精神科診断および心理的要因の情報は限られている。前向き疫学研究において、本論文の著者Tsaiらは、1988~2012年にかけて追跡調査を受けた男性34,901例(平均年齢57歳;狭い職業・社会経済的階層[医療従事者]から選択)を対象に自殺の予測における社会的危険因子の有用性を検討した。

社会的支援および帰属感は男性の自殺に対する強力な防御因子になりうる。
自殺は家族や友人に甚大な影響を与える重大な公衆衛生上の問題の1つであり、頻度は女性よりも男性が高い。自殺リスクの予測はいまだむずかしく、予測に利用しうる精神科診断および心理的要因の情報は限られている。前向き疫学研究において、本論文の著者Tsaiらは、1988~2012年にかけて追跡調査を受けた男性34,901例(平均年齢57歳;狭い職業・社会経済的階層[医療従事者]から選択)を対象に自殺の予測における社会的危険因子の有用性を検討した。なお、追跡期間中に147例が自殺により死亡した。
婚姻状況、社会的ネットワークの大きさ、社会的接触の頻度、宗教活動への参加、他の社会集団への参加に関する7つの質問を用いて、社会的統合(social integration)指標のスコアが算出された。解析では身体的疾患に起因する競合死亡リスクに対する補正がなされ、精神疾患の代理指標として抗うつ薬使用が用いられた。社会的支援/統合スコアの最低四分位群と比較し、上位2群では自殺リスクが有意に低かった(およそ40%~50%)。婚姻状況、社会的ネットワークの大きさ、宗教活動参加はもっとも強力な防御因子であった。