“ 実家で通夜の準備をする中、ふと本棚に目がいった。 「癌は治せる!」「医療が人を殺す」「癌で医者にかかるな!」といった本ばかりがずらりと並んでいた。 父も母も、こうして自分達が望む情報しか選別していなかったのだと思うと たとえ親子の縁を切られたとしても、もっと説得すべきじゃなかったのかという後悔だけが残った。 父も母も、PCをまともに扱う事ができない。 情報源を新聞とテレビのみに頼っている世代だ。 この世代は説得が通じない。 自身の見るテレビの情報が何より正しいと信じているからだ。

実家で通夜の準備をする中、ふと本棚に目がいった。
「癌は治せる!」「医療が人を殺す」「癌で医者にかかるな!」といった本ばかりがずらりと並んでいた。
父も母も、こうして自分達が望む情報しか選別していなかったのだと思うと
たとえ親子の縁を切られたとしても、もっと説得すべきじゃなかったのかという後悔だけが残った。
父も母も、PCをまともに扱う事ができない。
情報源を新聞とテレビのみに頼っている世代だ。
この世代は説得が通じない。
自身の見るテレビの情報が何より正しいと信じているからだ。
また薬はすべて、一方的に体に悪いものだと思い込んでいる。
その「反医療」的な価値観は、いつ、何がきっかけで、どこから来たのだろうか…。
消化しきれないモヤモヤだけが残ってしまった。