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それにしても、YMOの頃は、さんざん、無機質な音楽と言われました。
呆れるくらいに言われましたね。
ぼくたちの会話の中でも、それが話題になることもよくありました。
だけど、「計算され尽くして作られた歌謡曲とか、そういうものを本当は無機質と言うんだよ」それが細野さんの意見
であり、ぼくたちの一致した思いでした。
例えば、最近だと、春になるとお決まりのように、いわゆる狙いを定めて桜を題材にした歌、卒業を題材にした曲が発売されます。そういうものに、僕は、エモーショナルなものを一切感じない。つまり、そういう音楽こそ、無機質だということです。
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「心に訊く音楽、心に効く音楽」 高橋幸宏