厚生労働省は23日、厚労相の諮問機関である社会保障審議会の部会を開き、病気やけがで休む会社員が公的医療保険から受け取る傷病手当金などの抑制案を示した。一部に過剰受給が疑われる例があり、防止する狙い。
出産前後に休む女性社員が受給する出産手当金も検討の対象。厚労省は具体策を詰め、来年の通常国会に関連法案提出を目指す。
傷病や出産の手当金は、中小企業社員が入る協会けんぽや大企業の健康保険組合などが払う。日給の3分の2に当たる額を、休業中の一定期間に受け取れる。ただ主に協会けんぽで、休む直前に会社と調整して給与をつり上げるなどして、高額な手当金を受給する事例があるという。このため、休業前の半年や1年間の平均給与を基に計算する方法などを検討する。
2012年度の手当金は傷病が2885億円、出産が905億円。このほか死亡時に受給する埋葬料や、海外旅行中に医療機関を受診した場合の海外療養費も効率化を検討する。