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確かにコピーの作風は物件によりさまざまだが、全体的に都心の高級マンションほど「ポエム度」が高い。郊外のファミリー向けの物件が、立地の利便性など実利面を強調する傾向にあるのと対照的だ。そこには、都心ならではの事情があった。
都市の建築物を被写体にしてきた写真家の大山顕氏は、マンションポエムを「建築を隠す言葉」と表現する。「マンションは規格化が進み、もはや『法律と経済でできている』といっても過言ではない。都心の2億円の物件も郊外の2000万円台の物件も、建物自体にそれほどの差はない」。実際のところ、価格差のかなりの部分を占めるのは土地代だ。マンションポエムは、「家」を「邸宅」に、「森」を「杜」に、「住む」を「住まう」にドレスアップする。高級感で建築を包み込むことで「値段が高いのは土地が高いから」という身も蓋もなさを曖昧にし、「そこに住めばハイグレードな生活が待っている」という夢を買い手に抱かせる作用を持っている。
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