“肥大化した自我が子どもっぽい征服欲と結びついた時に
生まれやすいのが、「世界を変える」とか「社会を良くする」といった
耳障りの良い大義名分である。
しかしその者が言う「世界を変える」とは、
自分の都合の良いように世界を塗り替えたいという意味に過ぎず、
そもそもの「世界」認識が貧弱なのだから、
それは結局多くの他者の共感を得られないし、歓迎されることもない。
ところが勘違いが留まるところを知らないと、
「変革者は大衆の共感を得られない」
とか
「10年先に自分が正しかったことが分かる」
とか
「だから今自分が嫌われるのは仕方ない」
などと言って、ついには自分を悲劇のヒーローに仕立て上げるのだ。
やってる本人は気持ち良いのだろうけど、
残念ながらそれは、裸の王様だ。”