“ 性格の大筋は基本的に遺伝と人生初期のあれこれで決まってしまう。変えられないこと、を受け入れるとずいぶんと背筋が伸びる。ピン、と、世界に対峙する姿勢が張り詰める。目が澄むからだ。「自分が選んだものではない気質的特性については、むろんだれからも責任を問われることはないけれども、それらの特性の表出として自分が発達させてきた行動パターンについては、道徳的にも法的にも責任がある」(p.257)。「大切なのはむしろ、自分がたまたま受け継いできたパーソナリティ・プロフィールの強みを利用し、弱点からくる影響をできるだけ小さくすることによって、実り豊かな表出を見つけることなのだ。…個人のもつ性格とは利用されるべき資源であって、なくなってほしい災いではない」(p.258)。”
パーソナリティを科学する / ダニエル・ネトル