2013-10-03 お金はどこに消えるのか

2013-10-1に安倍首相は消費税増税して8%にする決定を発表した。
同時に法人税減税を様々に検討するとのことだ。

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2013年10月1日に発表された、消費税率8%への引き上げについて思うところがあったのでまとめる。

1980年代なかば、冷戦の終結が西側陣営の勝利という形で視野に入っていた。ソ連軍はアフガンで有利に戦いを進めていたが、国家全体としての経済事情が戦争完遂を許さなかった。核原潜を筆頭に、軍拡競争で後れを取っていたソ連は、冷戦から”降りる”決断をした。ソ連が撤退したのは、映画にあるように元米軍兵士の英雄、ランボーが活躍したからではないのである。冷戦後の世界の枠組みが深刻に検討されていた。覇権国家の軍隊は仮想敵国なしには機能しない。候補に上がったのは中共、中東諸国、そして日本であったろう。中共、中東諸国がどのような目にあったかは後述、または別の機会に述べる。

日本に対しては手始めに、冷戦体制の中で不当に低く押さえられていた円・ドル相場がやり玉に挙がった。朝鮮戦争以来、日本は反共の防波堤の最前線として潤沢な投資を受け、経済はめざましい速度で復興し発展を遂げた。その背景の一つとして、円・ドル為替レートが低かったことも寄与している。戦後のインフレによって円の価値が毀損したこともあるが、1971年までは1ドル360円の固定、1973年2月に変動相場制へ移行し、1985年初には250円台だった円相場が1986年末には一時160円を突破した。これは本稿の最重要テーマ、プラザ合意によるものである。
参考: プラザ合意 – Wikipedia

日本の輸出産業は、自動車産業に端的に見られるように原料を加工して高付加価値を得る構造である。例えば円安で輸入原料価格が倍になったとしても、輸出販売価格も倍になるので利益はむしろ増える。逆に円高で、輸入原料価格が半分になっても恩恵は小さいが、輸出販売価格が半減すれば大打撃である。冷戦末期までは、当初は固定、その後も不当に安い円相場によって日本の外需依存産業は優遇されていたのである。これは西側諸国の製造業を圧迫するまでになり、1980年代米国での深刻なジャパン・バッシングの元ともなった。

そこで1985年のプラザ合意で為替を大幅に円高方向へ修正することが既定路線となった。これにより輸出産業への手当が必要となった。1989年からの消費税の導入はそのための苦肉の策であった。

消費税は国内での金銭の移動に伴い発生する税である。最終製品が輸出される場合には、外国の付加価値税等との二重取りを避けるためその額に応じた還付金が製造企業に割り戻される。消費税の輸出戻し税と呼称される制度である。これにより、自動車、機械等の輸出品目は、内需向けの製造業に対して相対的優位に立った。この制度がなければ輸出産業は壊滅的な打撃を被っていたと推測される。もちろん自動車産業を始め、生き残っている産業分野では徹底した合理化やシステムの刷新によってこの危機を乗り切った事を忘れてはならない。鉄鋼業や炭鉱はこの時に壊滅した。なお、今なお脈々と続いている低燃費システムの開発、実用化は産油国に対し別の打撃を与えることにもなったが本稿のテーマからは外れるので割愛する。

1990年代以来、橋本、小渕、森の各政権や中川親子、鈴木宗男などロシアと強いパイプを持つ集団が主導権を握った時期が確かにあった。また、小沢一郎を筆頭に2009年に政権をとった集団は反米親中である。消費税率7%への引き上げを目論んだ細川政権の国民福祉税構想、橋本政権下での5%への引き上げなど、いずれも米国とは距離を置く政権の発想である。第二次安倍政権も、実はこの系列にある。消費税増税によって打撃を受けるのは、日本の庶民よりもむしろ米国内の製造業なのである。

仮にも大蔵官僚たるものが、消費税の導入・引き上げにより景気が失速することを知らないはずがない。増収どころか、歳入総額が減ることも織り込み済みだろう。増税を成し遂げる事こそが大蔵官僚の最大の出世ポイントであるかのように世間一般で言われてはいるが、大蔵官僚もそこまで愚かではないのである。太平洋戦争において、鍋釜や寺の釣鐘までも供出して兵器製造に充てたのと同様、庶民の暮らしからも3%、5%を供出して輸出企業への補助金を捻出していたようなものである。輸出戻し税の還付制度は、当時の大蔵官僚の苦心のすえ捻り出されたかなり良くできたシステムだが、その代償として内需に永遠に足枷を嵌めることとなった。これはあくまでも米国との経済戦争の一環なのである。なお、農業の各分野も、1980-90年代は明暗を分けた。水田の減反や畜産飼料業界の苦衷については後日また紹介したい。

消費税の導入以来24年が経過したが、米国の自動車産業のメッカであったデトロイトは廃墟と化し、米政府は(ごく一部とはいえ)閉鎖の運びとなった。10月1日の消費税8%引き上げ表明は、日米30年戦争のクライマックスにおける一種の勝利宣言である。

ちなみに他の2つの仮想敵国についてだが、中共をターゲットとした一連の取り組みでは1989年の天安門事件をピークとする民主化運動が起こったが、人民解放軍はこれを強硬に弾圧した。20年後のアラブの春と似た状況だったのだが、中共が世界から孤立しつつある中で日本が手を差し伸べ、政権は延命された。イラクの隣には日本がなかったので、クウェートへ出兵したフセイン政権のイラクは20年にわたって米軍に蹂躙されることになった。日本はむしろ、海部総理から小泉政権にかけて一貫して中東への軍事介入を後押ししてきた。これは米軍の中東への深入りを誘うことでその力を削ぐことにも繋がった。

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というような指摘があるくらいで
消費税と法人税は強くリンクしているらしい

国土強靭化とかオリンピック特需でバラマキを推進するらしい
また一方で復興特別予算は進行中である

赤字国債の問題はいろいろな立場の人がいろいろな観点から言うのでややこしいのだが
一面だけを切り取って言えば
日本の各家庭で貯蓄に回されているお金が大量にあって
みんな使おうとしない
だから経済指標が上昇しない
日本経済は縮小を続けている
すると当然、税収が低下する
それでは国家として困る
デフレで大変だと宣伝を始める
グローバル経済になるのだからデフレは当然のことだ
そして年金生活者などにとってはデフレは悪いことではないだろう、むしろ歓迎である
ユニクロで衣類を買って、牛丼を食べて、スーパーのプライベート・ブランドを買って、随分節約になるはずだ
しかしそれでは税金当局は困るので、年金と医療・介護を守るために増税するのだとか言う
消費税増税分は社会保障関係にだけ使うと宣言して約束しているが
それは福島はアンダー・コントロールとか、0.3キロ平方メートルの中に閉じ込めているとか、
そんな発言と同類のデタラメだと思う

値上げして景気が良くなって所得が増えればみんな幸せになると宣伝しているが
原材料の値上げで多くの企業は倒産するだろうと言われている
それが資本主義の原理である、古い産業には退場してもらう、新しい産業に資本と人材を回す事になる、いいことだ
との論調である

家庭が蓄えたお金は銀行にいって、銀行が赤字国債を買う、そのお金で国は借金の利息を払う
これではダメそうではないだろうか
そうではなくて、本来は、銀行が企業に貸し付けて、お金が市中に出回ればいいのだろう
しかし誰も借りないので、仕方なく銀行は赤字国債を買う

ここで考えてみる
税金や国債発行した得たお金が公共事業や天下りの役人の給料や退職金に消えてしまうのは
許せないという意見が多い
もちろん、透明なルールがなくて、仲間内でポストを恣意的に回しているのは良くないことだが
暴動も起こらないので、安心して続けているのだろう

問題なのは、
公共事業に税金を使ったとして、建設業の人たちが収入を全部貯金するとも思えない
タンス貯金にしてじっとしているというならたいへん困るのだが
それなりに消費してもらえば市中にお金は回るのである
お金は食料と違って腐らないのだから、いつまでも回り続けることになるはずだ
しかしなぜか、どこかに消えてしまうのである
ここが問題である

天下りのお役人に億の退職金を支払ったとして、その人は子供用にマンションを買ったりするのではないだろうか
するとそのお金は市中で回るはずである
ところがそうはならない
お金は消えてしまうのである

どんなに1万円札を刷っても、消えてしまうみたいで、インフレにならない、物価が上がらない
一体どうしたんだろう
市中の貨幣総量が物価を最終的に決めるとの原始的な理屈があるらしい
輸入できる製品は安くなるけれども
日本の土地の値段などは基本的には貨幣総量と連動して値上がりするはずである

田舎の土地持ちはひたすら値上がり期待である
市役所には都市計画があって、どこに道路が計画されているか分かる
いつなのかははっきりしないが
待っていれば売却益を期待できる人たちがたくさんいる

その人たちのためにも国会議員は予算を持ってきて道路を作らないといけない
全ては土地持ちに現金を配るためである

政府・日銀があれこれ操作するけれどうまく行かず
多少安くなった土地を外資が買い漁るという良くない事態になっていた

最近は景気が上向くかという期待もあって、買う日本人もいるらしいが
ババ抜きのババを誰がつかむのか、スリルのあるゲームになっている

お金は
どこに消えているのだろう

政府は気前よく各国に援助している
しかしそれはたいていは各国に自由に使ってくださいというものではなくて
日本企業の製品を買ってくださいというもので
結局、日本政府が日本企業の製品、たとえばプラントとか原発とかを買うということになるケースもあるらしい
するとかなりの額が還流するはずだけれども
会計上は現地での取引になるのかもしれない

ドルを買ったり株を買ったりしているのだが
そのようなオペレーションをしているうちに
海外のファンドに貢献してしまっているのかもしれない
年金資金などはいいかもだと言われている
同様に、税金の一部は、海外の機関とファンドや企業に流れているのかもしれない

そんな感じの海外に吸われているお金を考えると
日本が1000兆円の借金を抱えているというのも説明できるのだろうか

普通に考えると、国が1000兆円の借金をしてそれを使ったら
そのお金で儲けた人たちがいて、その人たちはそのお金を使うはずだろうから、そこらにお金が溢れているはずだろう
貯金したとして、銀行に行くのだから、銀行はそのお金を市中に流すはず、するとお金があふれるはず
いずれにしてもインフレになるはず
それで土地持ちは儲かるはず
ということになる

デフレになると不動産所有者が困る

どこかで騙されている感じがするのだが
とにかくデフレが進行し、もうたまらない、インフレにしてくれということで、いま進行中である

しかしこの株価上昇は日銀のオペレーションや政府の方針に反応したものではなくて
投機筋の思惑にすぎないような気がする
少子化、移民制限の現実の前には未来は決定論的に予言できるような気もする

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やらなくてはいけないことがあるのだが、それに着手する前にと思って
いろいろと書いていたら散漫になった

政府があまり賢くないお金の使い方をしたとしても、
たとえば、某山陰地方のご当地アイドルにお金を使ったとしても、
そのお金を受け取ったアイドルたちがお金を地面に埋めて忘れてしまわない限り
市中に出回り、貨幣供給量に応じて物価が反応し
物価が上がれば、不動産所有者が得をして、
ローンを組んでいても旨みがあり、マンションが売れて、
そうすると各種産業が連動して食べていけるようになる

ところが先般までは各種産業で値下がりが続き、非正規就業者が増加して、購買力が低下し、という現実があった
リーマン・ショックでも富裕層は打撃を受けたが、デフレの遷延でも富裕層は打撃を受けていた
1000兆円はもちろん一部は産油国に流れているだろう、しかし説明しきれない
どこに消えたのだろう
誰かが現金を土に埋めているとしか思えない