厚生労働省は19日、精神障害者への医療サービスを確保するための指針案を省内の検討会に示した。入院中心の精神医療を転換し、地域で生活できるような体制づくりを推進する。指針は年内に決定する。
精神障害者は、入院が長期化すると社会復帰が難しくなる傾向がある。指針案によると、重度かつ慢性の患者を除き、可能な限り1年未満の退院を促す。在宅で医療サービスが受けられるよう、医師や看護師、精神保健福祉士らによる訪問支援の充実や、24時間対応の精神救急医療システム、相談窓口の整備を進める。
認知症患者に対しては、新たに精神科病院に入院した患者の半数が2カ月以内に退院できるよう体制づくりを進める方針だ。
指針は、来年4月施行の改正精神保健福祉法で厚労相が定めると規定されている。