“人間、油断すると調子に乗るじゃないですか。そうなると大体大変なことになるんですよ。 ここで言う「調子に乗る」ってどういうことかと言うと、「死を忘れる」っていうことなんですね。死にマヒしちゃうんですよ。それは、いっぱい人を殺したからっていうのもあるけど、その前の段階として「大きな目的のためになら自分は死んでもいい」ってずっと思ってると、「目的のために他人が死んでもいいんだ」っていうことにすり替わっちゃう時があるんですよ。 俺自身の中でも「人間、いつか死んじゃうじゃん」っていうのは重要なテーマとしてあるんで

“人間、油断すると調子に乗るじゃないですか。そうなると大体大変なことになるんですよ。
ここで言う「調子に乗る」ってどういうことかと言うと、「死を忘れる」っていうことなんですね。死にマヒしちゃうんですよ。それは、いっぱい人を殺したからっていうのもあるけど、その前の段階として「大きな目的のためになら自分は死んでもいい」ってずっと思ってると、「目的のために他人が死んでもいいんだ」っていうことにすり替わっちゃう時があるんですよ。
俺自身の中でも「人間、いつか死んじゃうじゃん」っていうのは重要なテーマとしてあるんですけど、それは「死んでもいい」っていうこととは違いますからね。調子に乗って、そういうことを忘れてはいけないんですよ。”
「世の中をもうちょっとマシにしよう」とか、「人のためにいいことをしよう」と言ってた人たちが、いつの間にかおかしくなって、内ゲバで十数人も殺し合いをすることになってしまったという……。「なんだよそれ!?」っていう感じじゃないですか。そんなの物語として面白いに決まってますからね。
そういうことって実は歴史上、何回も起こっているんですよ。新撰組だってそうだし、戦争末期の日本軍だってそう、ポル・ポトも、文化大革命だってそういうことになってるじゃないですか。