かつて、その社長に問いかけたことがある。生き難さについてだ。
「あさましい奴には勝てない。卑しい奴にも勝てない。ちゃんと生きていたらそこには“負け”しかない。こんな社会をどう納得すればいいのか」
社長は言った。
「確かに。あさましい奴には勝てない。でも、我々も知恵を合わせれば、そんな奴らとそこそこ戦える。負けないで戦えるもんですよ」
・・・私が社員でも、この社長に社長で居続けてほしいと願っただろう。人格者とは、脇がゆるくても周りが守りたいと思う。そういう人物だと1つの指針がもらえた。