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ところで、ナチスの制服は、純粋に服として見たときに「軍服史上、最高に美しいもの」という評価が一般になされている。ナチスが主催した民族のお祭りを撮った唯一と言われるカラービデオを見た事があるが、本当に美しかった。ドイツ人てこんなに素敵な文化をもっているんだ、と思わせるのに十分なものでした。ドイツ人だったら誇りと愛国心をかきたてられて当然だろうなあと思えた。1938年のベルリンオリンピックを撮影した「オリンピア」(レニ・リーフェンシュタール監督作品)だって、素晴らしかった(日本でも当時大ヒットしたそうです)。ヒトラーは元絵描き志望だったから、芸術の効用を知っていたのだと思う。
もしかしたら、ガリアーノの「ヒトラー大好き」発言は、そういう単純なイメージのものだったのかも・・・なんてちょっと思ったりもした。
でも、ナチスの制服をデザインしたデザイナーの名前は残っていない。不名誉な仕事だから出さなかったとか、(ドイツ人ではなく敵である)フランス人のデザイナーだったから、とか色々言われている。
この問題は本当に難しい。でもここまで問題が大きくなってしまっては、もう解雇以外に道がない。
私が一番印象に残っている彼の服は、彼が「ディオールのデザイナーになる」との噂が広がり、実際に就任する直前のショーだ。私は雑誌の写真で見ただけだが、忘れられない美しさだった。あれほど素晴らしい仕事をしてきたのに、最後がこれ・・・。この汚点から彼は一生逃れられない。でもきっと、酔っぱらって普通のカフェやバーで汚い言葉を連発するのは、これが初めてではないのだろう。
カール・ラガーフェルドが「そういう場所に行って酔っぱらってものを言うという行為が問題」みたいな事を言ったが、同感である。名誉は大事である。ナチスの制服をデザインした(おそらく)フランス人デザイナーが生きていたら何てコメントするだろう。。。本当に残念・・・。
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ガリアーノとゴルチェ。ビデオは一体どこから?