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メディアがこぞって原発事故ばかりを騒ぎ立てている間にも、助けようとしたら助けられたかもしれない命が、瓦礫の下でどれだけの数、失われていった事か。
暴走しようとする原発を宥めるべく、現場に身を置き続ける作業員や自衛隊員、消防隊員には敬意を払う。
しかし、冷たい雪になぶられる瓦礫を、なすすべなく見つめるしかなかった私たちには、東京の放射線騒ぎや計画停電なんかどうでもよかった。
燃料の尽きた底冷えのする避難所で空腹を抱えていた被災者はもちろん、同じ寒風の下で幼い子どもの手を引き、愚痴をもらさず何時間もスーパーマーケットに並んでいた仙台市民も、東京のバカ騒ぎに対して、いい加減にしろっ、と心の内では吐き捨てていた。
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東北の怒り