“平野さんの答えは「なによりも、ゆっくりと話すことですね」でした。 声の質そのものは複式呼吸による発声法を学んだり、声帯の筋肉を鍛えるなど、ながい時間がかかるのだそうですが、即席でできることがあるとしたら、まずはゆっくりと話すことなのだそうです。 たとえばプロのナレーターはペースを決めるための「間」を自在に操ることができて、平野さんもテレビ番組「平成教育委員会」のナレーションをあらかじめ吹き込む際に、その場にいないゲストが「へえー」「おおー」と合いの手をいれるタイミングと間を予想して吹き込んでいるのだそうです。逆にいえば、それができなくてはプロではないわけです。 ふだん会議などでおこなうプレゼンでは、聴衆はいちいち「へえー」などと口にしてはくれませんが、黙ったままの聴衆の頭のなかにも、そうした「間」の時間はあります。平野さんがおっしゃるには、「声から声につないで、間をつぶしてしまうと、聞いてる側も受け取れなくなる」のだそうです。”