“商売柄、メディアは「絶句すること」が許されない。
逆に言えば、インターネットメディアの利点は「用がなければ黙っている」ことができるということである。
「黙ることが許される」というのは思考する人間において手放すことのできない特権である。
「ときどき長い沈黙のうちに沈む」というのは、人間がものを深く、徹底的に考えるための「マスト」である。
新聞やテレビのような「定期的に・定量の情報を発信することをビジネスモデルにしているメディア」の最大の弱点はそこにある。
黙り込むことが許されない。
自分はどうして「こんな話」ばかりしているのか・・・という深甚な、ある意味で危険な問いを抱え込むことが許されない。
その自省機会の欠如が、メディアのもつべき批評性の本質的部分をゆっくりと腐らてゆく。”