マニーの時の行動様式について

作家などでマニーの時に作品を書くなどの例があると思うのだが

本当だろうかと思う
私が診察している大抵の人はマニーの時に
別段創造的になるわけではない
ただその人の本来の性癖が拡大される感じはある
やたらに威張ってみたり
妙に几帳面になってみたり
しかしそれらは状況に応じたものではなく
自分の性癖に従っているだけなので
社会適応は当然に、悪くなる
状況に応じて
目的に対応した最善手を選択することができなくなり
自分の思い込みだけで動くようになる
メタファーとして言えば
ぬいぐるみを必死にお世話している様子
気の済むまでやればいいけれど
周囲の迷惑も少しは考えよう
大人なのでたいていはぬいぐるみではなくて
愛人とか新しい不動産とかギャンブルとか転職とかそんなものが多い
むき出しの本能という感じがするので
周囲はむせてしまう
マニーは全くエレガントなものではないようだ
そのことを自己モニタリングできなくなっているので
昔から精神病の典型に分類されている
メタ認知が停止しているので
やはり脳の高次機能障害なのだ
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人によってはマニーの時に
脳の最上位機能が発揚されるのかもしれないが
そういう人は診察には訪れないのだろう
マニーなんだから脳の最上位機能も亢進すればいいのにと思うのだがそうはならない
たぶん、大抵の人は、純粋マニーではなく、混合状態になるのだと思う
マニーになって、一瞬はいい時期があるのだが
脳の最上位機能がまず最初にダウンするのだろう
そうすると脱抑制症状が観察される
そのことをたいていはマニーと呼んで診断しているのだと思う
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つまり、マニーの最初期に純粋マニーが観察される
そのあとで、M cellがダウンするのは高次機能中枢が最初になる
しかも下位機能はマニーで亢進している
だから脱抑制症状がくっきりと観察される
相当露骨である
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脳の高次機能障害が行進してくれるマニーならば
天才出現でいいことだと思う
しかしそのような例は極めて少なく
たいていは脱抑制症状が観察されて
周囲にすれば迷惑な感じのほうが強い
やはり
脳の高次機能障害は壊れやすい繊細なものなのだと理解することができる
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脳の高次機能障害が失われて
脱抑制症状を呈し
いわゆるマニーになると
一種わかりやすい状態になる
つまり他人にコントロールされやすくもなる
そこに自己愛型人格の人が絡んだりすると容易に自己愛備給基地にされてしまう
二人組になるとして
もう一人は脳の高次機能を維持しているならば
いっそのこと補完関係になるのだけれど
実際はそういうことは少ない
露骨にお互いにお互いを利用する関係になると
なんともまとまりのつかないことになる
うつに突入するのを待つしかないこともある
周囲は辛抱である