長期崩壊性病理と完全回復型病理を分類すればいい

精神の病気について分類すると
その時に現れている症状にしたがって
理性・認知の領域の症状と
気分・感情の領域の症状を分けることが通例である

しかし理性の障害ではしばしば気分の障害を伴うことが早くから言われている
気分・感情の障害の場合にも認知面からのアプローチで治療効果がある場合があると言われている

症状はあまり決め手にならないので
経過で分類してはどうかとの考えは昔からある
難点は確実に経過を予測したいがための診断なのに
経過を参考にしないと決められないというのでは
あまり役に立たないことだ

しかし概念としては役に立つ

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なに病ですかという時に
長期崩壊性病理と完全回復型病理を分類すればいいのだと思う
それぞれの内部で理性の病気も気分の病気もあるということになる
たいていは、理性の病気は長期崩壊性で
気分の病気は完全回復型であると考えられていたのだが
だんだん怪しい感じもある

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長期崩壊性というものの、実際には難しい
たとえばプロ野球選手は30歳代後半あたりで
昔できていたことができなくなる
それは正常の老化とも考えられる
あるいはプロ野球選手として肉体を酷使したがゆえの疲労・微細損傷の蓄積とも考えられる

サラリーマンではどうだろうか
だんだん仕事に習熟していくので若い人に簡単に負けることもないが
実際は、ぎりぎりの能力で勝負している場合には、
若い人にかなわないことも多くなるはずなのである

肉体のピークも頭脳のピークも実際は早く訪れる
サラリーマン社会はよくできていて
ピークを過ぎた人には管理職という立場が待っている
プロ野球で言えばコーチや監督である

昔はすごかったけれども今は実際は出来ないという人が威張っている現実
それはプロ野球でもサラリーマンでも同じだ

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抑うつ症状で苦しんでいる人が相談にきて
昔はできたことが今はできないので苦しい、上司に叱責される
ということもよくある

とりあえず抑うつで問題ないのだが
一時的な反応として抑うつがあり、そのせいで能力が発揮できないでいるものか
実際には能力のピークを過ぎて衰えているのか
あるいは長期崩壊性の病理が進行しているのか
簡単に判別できるわけではない

対人関係が良好であれば
それなりに相談したり支援を受けたりして仕事を継続できる場合も多い
性格がその集団に適していれば何とか凌げるということもある

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サラリーマンは早く偉くなって
能力が低下して、無能な上司と部下に呼ばれた場合にも、
世間では上司はみんなそう言われる運命なんだと納得する、
それだけが解決のようだ

http://shinagawasn.blog.so-net.ne.jp/2012-01-28-6