"Facebook(FB)への長時間接触と抑うつ状態には関連性がある――。米ヒューストン大学の博士号候補者による論文が4月、米国の雑誌に掲載された(同大のホームページを参照)。著者は、FBを通じて他人の生活の「(良い面の)ハイライト」を見ることが、自身の生活と比較して、落ち込んだ気持ちを引き起こし、「自分の生活を悪いものと感じるようになりかねない」と指摘している。SNSサービスなどのオンラインサービスを通じた、他人と比較できる情報の接触について、「利益は一時的で、健康への害にもつながりかねない」としている。
著者は、同大で社会心理学を学ぶMai-Ly Steers氏。雑誌は、米国のJournal of Social and Clinical Psychology誌。同氏は、FBのサービスが、精神衛生に及ぼす影響を検証した。結果として、FBが直接うつと結びついたわけではなかったが、落ち込む気持ちと、FBの長時間の利用について「密接な関係にある」と指摘している。性別による差はなかった。
分析として、FBの一つの危険性として、「普通なら知り得なかった私的な情報が得られ、他人と自身を比較する機会を増やす」と指摘。その上で、他人の投稿を予想することができないことから、「FBによる衝撃はコントロールできない」と警鐘を鳴らしている。
さらに、FBの投稿については、「悪いことを無視して、良いことを投稿する傾向にある」「(投稿者の生活の)ハイライト」と指摘し、読んだ人が、「自身の生活を悪いものと感じるかもしれない」としている。"