志位和夫委員長 「(前略)日本の戦争が、間違った戦争か、正しい戦争が、その善悪の判断を聞いたのですが、まったくお答えがありませんでした。この問題は70年前に歴史が決着をつけています。戦後の日本は、1945年8月、ポツダム宣言を受諾して始まりました。ポツダム宣言では、日本の戦争についての認識を2つの項目で明らかにしています。1つは第6項で、「日本国国民を欺瞞し、これをして、世界征服の挙に出づるの過誤を犯さしめたる者の権力および勢力を永久に取り除く」と述べています。日本の戦争について、世界征服のための戦争だっ

志位和夫委員長 「(前略)日本の戦争が、間違った戦争か、正しい戦争が、その善悪の判断を聞いたのですが、まったくお答えがありませんでした。この問題は70年前に歴史が決着をつけています。戦後の日本は、1945年8月、ポツダム宣言を受諾して始まりました。ポツダム宣言では、日本の戦争についての認識を2つの項目で明らかにしています。1つは第6項で、「日本国国民を欺瞞し、これをして、世界征服の挙に出づるの過誤を犯さしめたる者の権力および勢力を永久に取り除く」と述べています。日本の戦争について、世界征服のための戦争だったと明瞭に判定しています。日本がドイツと組んで、アジアとヨーロッパで世界征服の戦争へ乗り出したことへの厳しい批判です。今ひとつポツダム宣言は、第8項で、「カイロ宣言の条項は履行されるべく」と述べています。カイロ宣言とは、1943年、米・英・中の3国によって発せられた、対日戦争の目的を述べた宣言ですが、そこでは「3大同盟国は日本国の侵略を制止し罰するため今日の戦争を行なっている」と、日本の戦争について「侵略」と明瞭に規定するとともに、日本が暴力と強欲によって奪った地域の返還を求めています。こうしてポツダム宣言は、日本の戦争について、第6項と第8項の2つの項で、「間違った戦争」だという認識を明確に示しています。総理にお尋ねします。総理はポツダム宣言のこの認識をお認めにならないのですか?端的にお答えください」
安倍晋三首相 「ま、この、ポツダム宣言をですね、我々は受諾をし、そして敗戦となったわけでございます。そして今、え~、私もつまびらかに承知をしているわけではございませんが、ポツダム宣言の中にあった連合国側の理解、たとえば日本が世界征服をたくらんでいたと言うこと等も、今ご紹介になられました。私は、まだ、その部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから、今ここで直ちに、それに対して論評することは差し控えたいと思いますが、いずれにせよですね、いずれにせよ、まさに、先の大戦の痛切な反省によって今日の歩みがあるわけありまして、我々はそのことは忘れてはならないと、このように思っております」

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ポツダム宣言条文 全訳

(原文:http://www.ndl.go.jp/constitution/e/etc/c06.htmlまたは
<PDF>http://afe.easia.columbia.edu/ps/japan/potsdam.pdf)
 ポツダム宣言条文 全訳
日本降伏のため確定条項宣言 ポツダムにて 1945年7月26日発出
<Proclamation Defining Terms for Japanese Surrender Issued, at Potsdam, July 26, 1945>

(1) われわれ、米合衆国大統領、中華民国主席及び英国本国政府首相は、われわれ数億の民を代表して協議し、この戦争終結の機会を日本に与えるものとすることで意見の一致を見た。

(2) 米国、英帝国及び中国の陸海空軍は、西方から陸軍及び航空編隊による数層倍の増強を受けて巨大となっており、日本に対して最後の一撃を加える体制が整っている。(poised to strike the final blows)この軍事力は、日本がその抵抗を止めるまで、戦争を完遂しようとする全ての連合国の決意によって鼓舞されかつ維持されている。<This military power is sustained and inspired by the determination of all the Allied Nations to prosecute the war against Japan until she ceases to resist.>

(3) 世界の自由なる人民が立ち上がった力に対するドイツの無益かつ無意味な抵抗の結果は、日本の人民に対しては、極めて明晰な実例として前もって示されている。現在日本に向かって集中しつつある力は、ナチスの抵抗に対して用いられた力、すなわち全ドイツ人民の生活、産業、国土を灰燼に帰せしめるに必要だった力に較べてはかりしれぬほどに大きい。われわれの決意に支えられたわれわれの軍事力を全て用いれば、不可避的かつ完全に日本の軍事力を壊滅させ、そしてそれは不可避的に日本の国土の徹底的な荒廃を招来することになる。

(4) 日本帝国を破滅の淵に引きずりこむ非知性的な計略を持ちかつ身勝手な軍国主義的助言者に支配される状態を続けるか、あるいは日本が道理の道に従って歩むのか、その決断の時はもう来ている。

(5) これより以下はわれわれの条項(条件)である。条項(条件)からの逸脱はないものする。代替条項(条件)はないものする。遅延は一切認めないものとする。

(6) 日本の人民を欺きかつ誤らせ世界征服に赴かせた、 全ての時期における 影響勢力及び権威・権力は永久に<for all time>排除されなければならない。従ってわれわれは、世界から無責任な軍国主義が駆逐されるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能であると主張するものである。

(7) そのような新秩序が確立せらるまで、また日本における好戦勢力が壊滅したと明確に証
明できるまで、連合国軍が指定する日本領土内の諸地点は、当初の基本的目的の達成を担保するため、連合国軍がこれを占領するものとする。

(8) カイロ宣言の条項は履行さるべきものとし、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとする。

(9) 日本の軍隊は、完全な武装解除後、平和で生産的な生活を営む機会と共に帰還を許されるものする。

(10) われわれは、日本を人種として奴隷化するつもりもなければ国民として絶滅させるつもりもない。しかし、われわれの捕虜を虐待したものを含めて、すべての戦争犯罪人に対しては断固たる正義を付与するものである。日本政府は、日本の人民の間に民主主義的風潮を強化しあるいは復活するにあたって障害となるものはこれを排除するものとする。言論、宗教、思想の自由及び基本的人権の尊重はこれを確立するものとする。

(11) 日本はその産業の維持を許されるものとする。そして経済を持続するものとし、もって実物賠償reparations in kind>支払い 取り立て にあつべきものとする。この目的のため、その支配とは区別する原材料の入手はこれを許される。世界貿易取引関係への日本の、将来の<eventual> 事実上の 参加はこれを許すものとする。

(12) 連合国占領軍は、その目的達成後そして日本人民の自由なる意志に従って、平和的傾向を帯びかつ責任ある政府が樹立されるに置いては、直ちに日本より撤退するものとする。

(13) われわれは日本政府に対しすべての日本軍隊の無条件降伏の宣言を要求し、かつそのような行動が誠意を持ってなされる適切かつ十二分な保証を提出するように要求する。もししからざれば日本は即座にかつ徹底して撃滅される。