“日本人は、意味が広い和語の隙間を、千年以上かけて意味が狭い漢語で埋めてきた。それが日本語の幅を広げたのだが、今後英語由来の外来語を増やしても日本語は豊かにならない。英単語は和語と同じく意味が広いからだ。むしろ漢語を押し潰していくので、幅は狭まるばかりである。「新規開店」なら店が出来たことが明らかだが、「新規オープン」では何が出来たのかは分からない。例えば最近「チェック」という言葉が安易に使われていると感じる。漢語なら「点検」、「検査」、「照合」、「確認」、「検証」、「検図」、「解析」、「分析」などを使い分けるのに、英語なら「チェック」一つだ。楽だが、曖昧(あいまい)なのは確かだろう。”
— 鈍化する思考力