田中:番組が終わってテレビ朝日から外に出てくるまで大変長い時間がかかっていましたが。
古賀:つるし上げっていうか、帰してもらえなかった。まず、最初のCMの時、現場で一番偉い人(若林統括プロデューサー)が来て、「古賀さん、なんでそんな打ち合わせにないことを言うんですか?」って言うから、「打ち合わせにないことを言っちゃいけないんですか?」(と言い返した)。
紙に「打ち合わせにないことを話してはいけないと若林プロデューサーは言ったということでいいですね」と(書いて)聞いた。
途中で、「こういうことやめましょう」とか古館さんがワーワー言うわけです。「こんなことやってたって視聴者の方わかりませんよ」と(古館キャスターが)言うから、「いや分かる人とわかんない人がいる」(と古賀氏は言った)。
一番最後の為替とかやる前に、「古館さんちょっと」と篠塚報道局長がサブスタジオかなんかにスタッフを呼んで、「こういう事(『古賀さんのコメントには承服しかねます』を読め」と書いた紙を古館さんに渡した。(古館キャスターはそれを読んだ。)
田中:古館さんが番組最後に言った「古賀さんのコメントには承服しかねる」の一節が間違いなく局から出たなと思ったのは、翌日テレビ朝日が会社としてコメント出したが、あれとまったく一緒。
古賀:だから、彼は言わされてるわけなんです。彼のほうが弱いんですよ。(テレビ朝日)早川会長とかから比べれば全く弱い立場。
普通は、あんな大看板のメインキャスターだったら相当ワガママを言える。僕を出すかどうかはたいした問題じゃなくて、テレ朝の最大の問題はプロデューサーを変えるということ、恵村さんというコメンテーター(朝日新聞編集委員)を変えること。
去年からそういう動きがあって、1月の初めには全部決まってたんです。(にもかかかわらず)こないだの木曜日か金曜日まで隠してた。後ろめたいからですね。
裏では安倍政権からいろいろあるし、早川会長というのは安倍政権べったりですからね。佐藤会長は古館プロダクションを仕切っている人で、古館さんはほぼ言いなりになっている。
古館さんは前回(出演の時)楽屋で平謝りだったんですよ。要は、自分は何にもしませんでしたと。
何を謝ったかというと、僕(古賀)を出さないことじゃなくて、「自分(古館)は言いなりになってる。局がやろうとしていることに一切異論を唱えなかった」と。
それは「議論して負けたんじゃない、彼はわざと知らないふりした」と言ったんですよ。プロデューサーを首にすることとか、恵村さんを変えるということとか局側に一言も(異論を)言わなかったんですよ。とにかく軍門に下ったんですね。
一番アタマに来たのは(古館さんが)「結構我々もいい番組やってるでしょう」と。あれはぜんぜん逆でいい番組を作っているのはプロデューサーなんです。
ビデオはプロデューサーが戦って戦って、いろんな横やりを全部蹴飛ばして(作った)。逆に古館さんはなんだかんだとケチつけて「こんなことはやりたくない」(と言う)。毎日トラブルですよ。
だから、4月に入っても(古館キャスターは)しばらく政府を批判したようなこと言いますよ。批判されるから。
報道ステーションの特集企画、村山談話、川内原発、沖縄とかすばらしい特集はプロデューサーが頑張ってやってる。だけど古館さんは村山談話の時なんかビビっちゃって。「やっぱり村山さんと反対意見の人もちゃんと呼んでやるべきでしたね」とか。