”わたしのおかあさんは、ほけん会社ではたらいています。困ったのは、ときどき出張に行くことです。  嫌なのはさみしいだけではありません。男の人と一緒に行くことです。おとうさんは、そのことにとやかく言いません。そのことがよけいにしゃくです。おかあさんに仕事なんかなければいいのにと思います。  先月、じゅくに行くと中、街でおかあさんが男の人と歩いているのを見ました。でも、おとうさんにもおかあさんにも聞けません。平日の昼間だから、どうせ「仕事だった」と言うと思います。  おかあさんが言うには、今は女の人もはたらけ

”わたしのおかあさんは、ほけん会社ではたらいています。困ったのは、ときどき出張に行くことです。
 嫌なのはさみしいだけではありません。男の人と一緒に行くことです。おとうさんは、そのことにとやかく言いません。そのことがよけいにしゃくです。おかあさんに仕事なんかなければいいのにと思います。
 先月、じゅくに行くと中、街でおかあさんが男の人と歩いているのを見ました。でも、おとうさんにもおかあさんにも聞けません。平日の昼間だから、どうせ「仕事だった」と言うと思います。
 おかあさんが言うには、今は女の人もはたらけるようになったので、いいのだそうです。けんりがふえたからだと言います。わたしには、だまされているだけのように感じられます。
 弟とさみしい思いで話すことがあります。おとうさんはおかあさんに話を合わせますが、ときどきさみしそうな顔をすることがあります。本当はいやなのではないでしょうか。
 何でみんながまんしているのでしょう。おかあさんがはたらかなくていい社会にしてください。”