現代社会の便利さが現代人の疾病構造を変化させている 照明、食物、自動車、エアコン、清潔、

学校給食で食物アレルギーに対してどう対処するかが問題になっていた
学校給食という制度で運用する限り、卵アレルギーとかに完全に対処するのは難しいらしい
だから、安全な何品目かは学校給食から提供し、その他の食品については、代替食品を各自が用意することにしてはどうかとの
提案もあるようだ

確かに、アレルギー反応が起こって死亡事故に至ることを考えても、対策は大切だ

しかしその背景にある、生命に不都合なアレルギー反応の増加についても考えなければならない
皮膚アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーでの胃腸症状などが増加している
原因としては、スギ花粉の増加、大気汚染、環境中の化学物質、食物中の化学物質など、アレルギー原因物質の増加
生体の免疫機能の異変。これはたとえば、低体温とか日光に当たらない人工照明のもとでの生活とかが原因として考えられる。

綺麗すぎる環境がアレルギーのもとになっているとの議論はよく言われる。
寄生虫に寄生される体験などがあると免疫系としてはむしろ予定通りのコースとなるのだろう

また綺麗すぎる環境はO-157などの、本来ならば繁殖力が弱くて、他の雑菌に負けてしまうような菌種が繁殖して
病気を引き起こす元にもなる

しかしまた清潔な環境のおかげで子どもや高齢者の致死的な感染症が減少したのだし、
たとえば胎児期に母体が感染症にかかってのちのち苦しむことになる病気、たとえば風疹のようなものも、
ずいぶん減少した

こうしてみれば、水洗トイレとかトイレ洗浄機とか台所の除菌とか清潔な衣類とか手洗いの習慣とか、
清潔にも功罪があることが分かる
清潔の意識は性行動にも影響しているだろう

たとえばエアコンにも功罪があり、もちろん快適な暮らしにはなるのだが、生体の適応力は低下し、
どちらかと言えば低体温で固定され、体温調整機能をエアコンに任せてしまうようになる
低体温の傾向は当然代謝低下を引き起こし、免疫系の不全をも引き起こす

たとえば自動車は便利に違いないし不可欠であるが
運動不足を引き起こす主因だろう
また国際的に見れば原油の確保という大問題を抱えることになっている

たとえば夜間照明により太陽を浴びる機会が減り、睡眠リズムが乱れ、睡眠時間が短縮する傾向にある
日本のように狭い家屋だと、親が夜更かしをしていると子供も付き合って夜ふかしをすることになる
そのことが子供の成長に影響を与える
日光を浴びるリズムが脳内のメラトニンのリズムを作り出し、
そこから睡眠のリズムにつながり、ひいてはセロトニンのリズムにつながるのかもしれない

人工環境の例として、清潔環境、エアコン、自動車、夜間照明などをあげたが、
その他にも、すぐ吸い取るおむつ、ゲーム、マイクロフォンで聞く音楽、人工乳、PC、携帯、スマートフォンなどあげればきりがない
大人の便利さのゆえに採用されたものが
子供の成長に悪く作用している可能性もないとはいえないのだろう

清潔になったおかげで他人との物理的距離が近くなり、
そのことは心理的距離も縮めてしまい
結果として、他人の心の棘に悩まされることもあるのだろう
他人の強烈な匂いというものは歴史とともに存在したもののはずだ
それがなくなるとは激烈な変化である
他人の匂いに耐えられないから他人と距離をとって暮らすのだし
その結果、縄張りが生じるのである

また広範囲に均質な教育の普及と情報機器の発達、交通の発達によって、
昔なら出会うことのないはずの範囲の人たちが出会い、交わっている
あまりにも根本的に違う人達が出会っていることも事実ではないだろうか
その良い面もあるが悪い面もあるということになる

現代社会の便利さが現代人の疾病構造を変化させている

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うつ病との関係で言えば、
照明設備の普及によって、睡眠覚醒リズムが崩れ、
日光に従うリズムが失われる
そのことが病気の原因として重要であるという指摘は昔からある
生体リズム障害としてのうつ病という観点である

また、人工照明の発達は、人間に無理な長時間労働をもたらした
そのことが慢性疲労を招き、それがうつ病の一つのタイプにつながるという観点もある

また、精神疾患と都市化という観点で論じることもできる
産業革命と、農村から都市への人口移動