上級官僚や米国の意志が日本のおおもとを決定している 若者は大変素直に「右翼」なのである かつての道をまた進んでいる 候補者がひどすぎる

採録

投票前の10日間、マスコミがずっと「自民が300議席」と言い続けたから、親安倍・親自民の有権者、特に40代以下の若年保守層が投票しなかったのである。安心したのだ。自民党が勝つと確信し安堵したから、わざわざ投票所に足を運ばなかっただけだ。棄権した主力は反安倍・反自民の有権者ではない。政治に大きな関心(知識)がなく、消極的に安倍晋三を支持し、他野党を支持する動機や信条を持っていない層だ。マスコミが拾う「街の声」で、「特に入れたい候補や政党がなかったから」と棄権の理由を回答する場合が非常に多いが、あの人々を全くの無党派ノンポリだと評価するのは違うと私は直観する。そういう部分も確かに存在するけれど、半分は保守であり、反左翼であり、反中韓であり、左派党(共・社・生)には投票しない集合だ。反安倍・反自民の意識を多少とも持った者ならば、マスコミの「自民が300議席」の予測に対して危機感を覚え、積極的に野党に投票しようと反応しただろう。

政治的に保守(反共・反中韓)である若者層は、この選挙で消極的に安倍晋三を支持し、安倍晋三以上に賛同する政党や勢力を見い出せず、マスコミが安倍晋三が勝つと太鼓判を押したため、それならいいやと投票を棄権したのだ。それが、今回の低投票率の実相である。若年層は非正規の比率が高く、すなわち世代間で相対的に貧困度が高く、したがって本来なら反ネオリベの意識に傾いてよく、反安倍・反自民の姿勢や主張の者の比率が多くなって当然の存在である。だが、彼らはそれ以上に強烈に反共の教育を受けていて、毒々しい反共思想を内面化しており、2chの書き込みを(半ば社会常識として)当然視するメンタリティを持っている。「ゴーマニズム宣言」を愛読書として読み、たかじんやビートたけしのテレビ番組を見て、池上彰や池田信夫や佐藤優による洗脳を日々受けている者たちである。右翼のイデオロギーに対する対抗観念がない。それを邪悪で危険なものとして捉える理性と感性を持たない。右翼のイデオロギーをブロックする精神のモニター装置がなく、つまりは正しい知識(歴史・政治・社会)の前提がない。左翼的なもの、社会主義的なもの、親中国的なものは悪魔であり、生理的に脅威であり、無条件に排除しなくてはならない天敵だ。大雑把に言って、この国の若者全体が右傾化していて、それはマスコミの現在の標準思想が右翼準拠であることとイコールの事実である。首相も極右だ。一見、政治に無関心に見える若年層というのは、表面を剥がして透視すれば、実体はそういう政治的存在なのだ。
ネットの左翼論者が浮薄に言ってるような、低投票率を根拠にしての、「自民が支持されたわけではない」の言説が、どれほど勘違いで一人よがりの古ぼけた認識か、棄権した若年層一般の内面を分析して仮説を与えることでよく理解できると思う。
人は政策だけで政治を選択しない。イデオロギーで選挙の判断に臨む。共産党だけは絶対に嫌だからとか、民主党は左翼と中国に近い不安があるからとか、そういう感情と印象で自民党を支持し自民党に投票する。あるいは、維新に投票する。
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躍進しているまとめサイトの存在です。明らかに自民党のネットサポーターズクラブが運営している。個人でやるにはサイトのつくりが組織化されて洗練されすぎている。これに若者世代が毎日アクセスし、日々洗脳されているのです。若者は疲れきった脳を癒すかのように、わかりやすい、中韓を悪者にし、米国および自民党をヒーローとするまとめサイトの情報を頭に流し込み、娯楽記事で辛い日常に目を背け、また働かされます。テレビが求心力を失い、ネットが求心力をつけてきましたが、ネットの方がより凶暴に偏向が行われている。まさに1984の世界です。日本が再び滅んだ後には、まとめサイトの運営等を明らかにしなければなりません。
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たしかにそうなんでしょうね。
社会の下部構造が右傾化を支持するように出来てしまっていて
だから言説はその結果にすぎないわけで
言論が右傾化をもたらしているわけでもないということだろう

右傾化の要因として少子高齢化が考えられ
「高齢者は自民党右翼を支持し
若者は左翼革新系を支持するのではないか
そして若者の一部は何かの理由で極右支持となるが
社会全体としては極右支持の風潮は広まらない」
という
漠然とした思考習慣があったが
そうでもないらしい

若者は大変素直に「右翼」なのである
かつての道をまた進んでいる

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選挙の結果、政権担当可能な野党勢力の形成が必要だということで
維新と一体化可能な道を進む民主党リーダーとして細野氏などの名前が上がっている
維新というのはどういう人達なのか、民主党と簡単に一体化できるのか、と思うのであるが
民主党内でも前原氏などは右か左かで言えば自民党にいても全くおかしくないわけで
他のいろんな事情で民主党にいますという程度のものだろう
民主党の圧倒的な変質が発生している

交代可能な二大政党というものは
ある政治家が「どちらに入っても別に変わりないけど、選挙区の都合で、空きがある方を選んだ」とか
「付き合いのある先輩が声をかけてくれたので偶然だがこちらにした」
とか
要するに「どちらでもよかった」
くらいの交代可能な存在でなければならないのかもしれない。

第一自民党と第二自民党で、ときどき交代する、という程度のものでいいのだろう
主権者が政策を選択するということは実質的にここ数年なかった
選んだように見えても、途中で覆された

消費税増税はしませんという民主党を選んだのに、菅、野田が消費税増税をしますといった
沖縄では基地移転はしませんと言って知事と自民党衆議院議員が選ばれたのに
移転容認に全員が変化してしまった

選挙民との公約があっても、
議員は上級官僚や米国の意向をより上位の権力と考えているのだから、
基地問題も、消費税問題も、公務員改革も、歳出削減も、原発再稼働も、
選挙民の意志と上級官僚や米国の意志がぶつかった時には
上級官僚や米国の意志を尊重することになっている

理由は、国民は詳しいことを知らないから、
難しい問題で国民が判断できることではないからとなり、
国民には情報もなく理性もないという言い分のようである

たしかに、投票行動を見ていると、理想的国民とは程遠い現実国民がいるようで、
絶望的であるが、でも結局のところ、
上級官僚や米国の意志が日本のおおもとを決定しているのだから、
それでいいのかもしれない

もう一国民としては無力感しかない

あなたの一票が国を変えるとか将来を選択するとか
若い人に説教しているが
根本のところは変わらないようだと若者が語っているのが本当は正しいのかもしれない
なんという社会だろう

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あともうひとつ、昔の新聞の選挙公報ではわからなかったことだが、
テレビで政見放送を見かけると、本物の○○が出ているようで
吐き気がしてくる
これならテレビタレントでもアナウンサーでも務まるだろうし、スポーツ選手でも充分なのだろう
候補者がひどすぎる