厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2013年)をもとに生涯賃金を試算したところ、正規職員は2億2432万円、非正規職員は1億2104万円になるという。その差は1億円もある。  まじめに勉強→良い学校に入る→待遇の良い会社や役所で正規雇用の仕事を得る→一生懸命働いて賃金を得る→良い相手を見つけて結婚する→健康を維持・増進させる→健全な家庭を営む→複数の健康な子どもをきちんと育て上げる。 「金持ち、健康、勝ち組」のパターン 「がん患者白書2013」によると、非正規雇用の6割が罹患後に依願退職や休職に追

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2013年)をもとに生涯賃金を試算したところ、正規職員は2億2432万円、非正規職員は1億2104万円になるという。その差は1億円もある。
 まじめに勉強→良い学校に入る→待遇の良い会社や役所で正規雇用の仕事を得る→一生懸命働いて賃金を得る→良い相手を見つけて結婚する→健康を維持・増進させる→健全な家庭を営む→複数の健康な子どもをきちんと育て上げる。
「金持ち、健康、勝ち組」のパターン
「がん患者白書2013」によると、非正規雇用の6割が罹患後に依願退職や休職に追い込まれる。一方、正規雇用の6割は罹患後も雇用され続けるという。
全労働者数に対する非正規労働者数の割合は、1990年の20%から2013年には36%まで上昇していて、このパスへ入るためのチケットを手に入れることは年々難しくなってきている。
 働く世代の単身女性の3分の1は、貧困線の年収114万円未満しか稼ぐことができない。10代、20代のシングルマザーの8割が貧困状態で喘いでいる。毎年10万人近くの高校生が中退し、その多くは非正規の仕事に就く。
長期安定的な正規雇用を放棄して自分ならではのパスを創造していくのはとてもリスキーなことだと見なされる。
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 労務行政研究所の「企業のメンタルヘルス対策に関する実態調査」によるとメンタル不調で1カ月以上の欠勤・休業者がいると回答した企業は6割を超えた。
 一見、お金、健康の観点では相対的に有利なパスのようには見えるが、リスクが横たわっているのだ。「がんばって勉強→良い学校→長期安定的な正規雇用」という人気のパスも、実際どっぷりつかってしまえば、ストレスに満ちているのである。
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人生前半の労働に関係する10万時間と人生後半の自由な10万時間を、楽しみながら健康に過ごしていくコツ
定年後の10万時間を光り輝くゴールデン・エイジにするため