採録
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昭和前半の歴史を大きく動かした人には日蓮宗信者が多い。北一輝、石原莞爾、田中智学・・。近代の日本は広義の日蓮主義的気風とそれと対立する官僚主義がある。
日本のマジョリティは親鸞的あるいは浄土真宗的
昭和の軍人たちはヨーロッパに対する反感が非常に強かった。彼らには鎌倉武士のなかでも中より下が支持した宗教である日蓮宗がフィットした。
禅(自力)、親鸞(他力)、日蓮宗(国家そのものを宗教的装置にして、それにより救おうという方向の三つ。
日本文化には、商人の伝統と、農民武士の伝統の二つがある。前者は個人主義、後者は集団主義。しかしそれとは独立に、親鸞的なものと日蓮的なものがあるのではないか。諦念と良識に生きる人と原理と熱狂に生きる人。
1)農民武士的 かつ 日蓮的 北一輝 左翼の行動派
2)農民武士的 かつ 親鸞的 日本の多数派。日本の官僚の基盤。 永田鉄山 東条英機 柳田國男 小林秀雄
3)商人的 かつ 日蓮的 千利休 宮沢賢治
4)商人的 かつ 親鸞的 吉田兼好 森鷗外