日本銀行の黒田東彦総裁は12日午後の衆院財務金融委員会(委員長・古川禎久前財務副大臣)に出席し、維新の党の伊東信久議員の質問に対して「(10月31日に開いた金融政策会合で決めた追加緩和について)2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げを前提に実施した」と答弁した。 最近の経済統計数字はことごとくアベノミクスの失敗を告発しているかのようだ。GDPとか実質可処分所得とか数字は良くない。円安と株高は着実に、しかも大方の予想を裏切って急速に進行しているのだが、それがはたして誰の利益になっているのか

日本銀行の黒田東彦総裁は12日午後の衆院財務金融委員会(委員長・古川禎久前財務副大臣)に出席し、維新の党の伊東信久議員の質問に対して「(10月31日に開いた金融政策会合で決めた追加緩和について)2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げを前提に実施した」と答弁した。
最近の経済統計数字はことごとくアベノミクスの失敗を告発しているかのようだ。GDPとか実質可処分所得とか数字は良くない。円安と株高は着実に、しかも大方の予想を裏切って急速に進行しているのだが、それがはたして誰の利益になっているのか、そろそろ国民が疑問に思い始めている。スーパーで物価上昇は明白である。給料は上がらない。株が上がったとしても、最初から株を持っていた人は儲けるだろうが、富裕層の彼らはこのタイミングで売る。そしてこの加熱相場が終わった時にまた買い戻しておくだろう。NISAで株を始めるという人は高値づかみをして塩漬けにするだろう。結局、低所得層から富裕層への資産の転移が進行する。年金資金運用にしても、最初に年金資金が発動された時には市場は一段値上げになるが、それからあとはいつも上がるわけではない。多分巨大ヘッジファンドに資金が吸収されてしまうのだろう。
塩崎厚労大臣は国会委員会でうまく答弁できないし、日銀は消費税率10%への引き上げを前提に追加緩和を実施したなどと答弁しているし。
総選挙で、10%に増税しないことを信任する形で、国民の信を問うと言うのだが、法律には、経済状況を勘案して決定すると書いてあるのだから、経済統計数字に従えば、増税しないに決まっているし、国民は増税なんか望まないのは当然だろう。優位をあと2年から4年に延長するための選挙だと言われているのだが、その優位の中でさまざまな国家主義的かつ軍国主義的な法律が可決されてゆくのだろうか。
分析の一部には、これは財務官僚をはじめとする官僚勢力と政治家勢力の戦いの一部であるという見方がある。増税勢力は財務省とその子分の政治家、反増税勢力は政治家主導の政治を目指す政治家という分類になる。菅総理、野田総理、安部総理と一貫して増税勢力に取り込まれて、言いなりになってきた。ところがここに来て、経済統計数値が悪くなり、財務省に使い捨てにされる情勢になってきた。増税しなければ財務省に潰されるし、増税すると支持率が引くなり持ちこたえられない。どちらにしても行き止まりなので、国民の皆さんは増税がいいですかどうですかと信任投票の形にして、官僚勢力に抵抗したいという情勢であるという解説もある。

官邸・経済産業省vs財務省・日銀の対立構図という解説もある。安倍、菅官房長官、甘利、経済財政・再生相vs 麻生、黒田、田中財務省主計局長という構図。

もしものことがあっても問題ないように、民主党内部ではほぼ自民党的な右派が復古して名を連ねるようになった。

安倍政権が米国オバマ大統領と首脳会談の時間さえとってもらえないという露骨な嫌悪を示されているのは、オバマ氏もやや大人げないのではないかと思われるくらいであるが、それに値するような言動を安倍氏は繰り返していることも確かなことである。
中国との首脳会談はかろうじて形にしたものの、その引き換えとして、尖閣に領土問題が存在すると文書で認めさせられてしまった。次は靖国に参拝するかどうかが問題になると言われていて、安倍氏は行っても行かなくても茨の道で、確かに難しい立場にある。
北朝鮮との交渉もまたしても手玉に取られ軽んじられてしまった。
B層支持を獲得するために朝鮮半島の緊張を高める方向で動いているのだが、韓国からは徹底的に敵視され、米韓は共同して安倍氏を無視している。幾つもの事情が指摘されているが、じつにおかしな状況である。