APA「精神医療の必要性、認識不足」 【米国精神医学会】
SAMHSA 3カ年計画に対する意見を公開
2014年9月2日 米国学会短信 カテゴリ: 精神科疾患・その他
米国精神医学会(APA)は8月18日、オバマ政権の求めに応じ、米国薬物乱用精神衛生管理庁(SAMHSA)の3カ年計画案に対する勧告を発表した。重篤な精神疾患(SMI)を抱える人々へのより良質なケア、保健医療の統合、精神科医育成などに関する見解を示した。
APAは「本計画案は、連邦政府のリーダーシップを必要とする重要で称賛に値する多くの目標を含んでいる」と言及する一方、精神疾患や物質使用障害を抱える米国人、特に1300万のSMI患者が精神医療を必要としているという明白な認識に欠けていることに強い懸念を示している。SMI治療、精神疾患や物質使用障害患者が適切な医療を受けるためのアクセス改善など、エビデンスに基づいた最良の実践を促進するため、目標を明確に設定するよう訴えた。
保健医療と医療制度の統合については、技術支援を優先させて革新的な保健医療を提供できるようSAMHSAに促し、精神衛生と依存症公平法(MHPAEA)実施目標に関連して包括的な教材の共同作成や国家規模のデータベース開発などを勧めている。SMI患者が実りある生活を送るのに必要な適切な治療を受けられるよう、精神医療の要素を欠かない配慮が不可欠と指摘している。
また、医療IT化では、生涯電子カルテ(EHR)の採用促進というSAMHSAの目標を高く評価しており、医療IT法(HITECH)プログラムの個人医師インセンティブに該当する精神科医に最大限の技術サポートを提供するよう勧告した。
精神科医の育成については、精神科医は不足しているのに、SAMHSAが人材育成増強に関する提言の中に精神科医を含んでいないのは大きな懸念であると述べ、確固たる労働力確保のため、育成と研修に関し、擁護とプログラム活動を優先させることを勧告している。
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