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そのなかで、いろいろと楽観的な脳=お天気な脳(サニーブレイン)について脳の解剖学的な枠組みで挿話を並べたのち、こうある。
サニーブレインのしくみについて、解剖学的に考察した結果は以上のとおりだ。楽観とはいつもただ上機嫌でいるだけではなく、意義深い生活に積極的にかかわり、打たれ強い心を育み、「自分で状況をコントロールできる」という気持ちを持ち続けることだ。これは、「良いことも悪いことも受け入れる能力があってこそ、楽観はプラスに作用する」という心理学の研究結果とも符号する。
これは、多くの自己啓発本にあふれる「ハッピーな思考はすべての問題を解決する」というアプローチとは似て非なるものだ。ポジティブに考えるかネガティブに考えるかはもちろん重要だ。だが、単にいつも「こうなってほしい」と期待するのが真の楽観主義だと思ったら、それはおおまちがいだ。
楽観的なリアリストは、自分の運命は自分でコントロールできると意識の底で信じているのだ。
つまり、物事をポジティブに考えればうまくいくというのではなく、不運があってもそれを自分が乗り越えられるという核心が楽観だというのだ。”
人はなぜ不運を自分の能力の欠如だと思うのだろうか?