ただ言えるのは、オキュラス・リフトのヤバさはもう、ここ5〜6年で見たテクノロジーのなかでもダントツ。 ──何がすごいんですか。 80年代に提唱されたサイバーパンクの世界がやっと実現したか、という感じですね。いったん身につけたら人類はもう、オキュラス・リフトの中から出てこられない気もする。目の前に展開される仮想の空間に、好きなだけいられる。究極の引きこもりツールですよ(笑)。 オキュラス・リフトは「肉体」というセンサーを騙すのが巧妙なので、疑似体験が「疑似じゃない」。これまでのツールは錯視などを利用して脳を

ただ言えるのは、オキュラス・リフトのヤバさはもう、ここ5〜6年で見たテクノロジーのなかでもダントツ。
──何がすごいんですか。
80年代に提唱されたサイバーパンクの世界がやっと実現したか、という感じですね。いったん身につけたら人類はもう、オキュラス・リフトの中から出てこられない気もする。目の前に展開される仮想の空間に、好きなだけいられる。究極の引きこもりツールですよ(笑)。
オキュラス・リフトは「肉体」というセンサーを騙すのが巧妙なので、疑似体験が「疑似じゃない」。これまでのツールは錯視などを利用して脳を騙そうとしてきたし、その綻びゆえに、脳が仮想体験を補完してきました。でも、オキュラス・リフトによって、肉体が本当に体験してきたようになるわけです。ちょっと小難しい言い回しになりますが、「仮想世界の実体験」がオキュラス・リフトの真骨頂かと。
エンターテインメントの分野以外でも、例えば火を噴く火山や月面のように、人が歩けない地点の状況をシミュレーションすることができますよね。建築の現場でも、シミュレーションをよりリアルに再現できる。オキュラス・リフト自体はすでにあった技術を組み合わせたものでしかありませんが、生み出せる体験が大きな意味をもつわけです。