うつ病に対する漢方薬の有効性、安全性、および種類に関するシステマティックレビュー
2014年07月03日(原文公開: 2014年06月16日)
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Yeung WF, et al. – 本システマティックレビューでは、うつ病に対する漢方薬の有効性、安全性、および種類についてレビューした。その結果、漢方薬は抗うつ薬に比べて有害事象が少なく、抗うつ薬に漢方薬を追加すると有害事象が減少することが示された。全般的に結果は有望だったが、臨床試験の質が十分なレベルだった研究は少なかったため、うつ病に対する漢方薬のベネフィット・リスクについて正確な結論を導くには時期尚早である。
方法
主要なデータベース(中国語9つ、英語7つ)を2013年5月までシステマティックに検索してランダム化比較試験(RCT)を収集し、さらに7件のシステマティックレビューを検討し、追加の論文を収集した。
臨床試験の質を評価するスケールである、修正版JadadスケールおよびCochraneバイアスリスク評価を用い、方法論的質を評価した。
試験デザインの質が中程度の研究(修正版Jadadスケールのスコアが3以上)のみを、有効性に関するメタアナリシスの対象とした。
詳細な評価を行った296件のRCTのうち、278件(93.9%)は修正版Jadadスケールのスコアが3未満であり、3以上を示したのは21件のみだった。
使用頻度の高い処方は、逍遥湯、柴胡疏肝湯、および甘麦大棗湯であり、単一の生薬として用いられることが多かったのは、柴胡、白芍、茯苓だった。
結果
メタアナリシスの結果、ハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)スコア低下の点から見て、漢方薬単剤療法はプラセボよりも有効であり、抗うつ薬と同等の効果を示した(漢方薬対プラセボ:平均差:-7.97、95%信頼区間[CI]:-10.25、-5.70、P<0.00001、2件の試験、漢方薬対抗うつ薬:平均差:0.01、95%CI:-0.28、0.30、P=0.95、7件の試験)。
(掲載: Journal of Psychiatric Research)