総理が公式な場でアストロンなんかつけてるのは本当は恥ずかしいこと
秘書が替えてあげないと
外遊に頻繁に行き、しかも複数国へハシゴする際に、
アストロンが便利だと政府首脳や外交関係者のあいだで話題になり、
他国の人たちも「それいいね」と言われ、
トップ(安倍)が着けていることからも、閣僚たちが着けはじめたという経緯がある。
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セイコー アストロンは、自己完結型(外部からの充電を必要としない)ソーラーGPSウオッチとしては世界初のものである。わかりやすく言えば「世界のどこにいても正確な、止まらない腕時計」だ。2万km上空を飛ぶGPS衛星には、10万年に1秒の誤差という究極の精度の原子時計が搭載されており、そこからの時刻信号(1つの衛星からの信号で足りる)を受信することで「正確な」時刻を表示する。また4つ以上の衛星からの電波によって緯度と経度と高度を特定して現在地を測位する(位置情報を得る)ことで「世界のどこにいても」ボタン操作1つで時差を修正してくれる。そしてソーラーパネルによる発電とリチウムイオン二次電池による充電/電力供給とで、電池を交換しなくても動き続け「止まらない」のである。
しかし、これらのことを腕時計の大きさで実現するのは非常に難しい。なぜなら、位置情報の受信には通常の時計の運針で消費する電力の1000倍から10000倍も必要なのだが、それに対応する大きな電池を搭載するわけにはいかないからだ。そのためアストロンでは、受信時間を短くする、つまり受信条件の悪い衛星は追わないようにすることで通常の5分の1の低消費電力に抑えた「GPSモジュール」や、ケース外周部に埋め込むことでメタルケース内でも受信感度不足にならないように工夫された「リング型高感度アンテナ」を開発し、さらには小型サイズの「新型リチウムイオン二次電池」や、電池の早期劣化を防ぐ、低消費電力の「新型IC」なども開発して、省電力化と電源の安定化を実現したのである。
では、そもそもなぜGPSウオッチなのか、電波時計では不十分なのかと言うと、電波時計は送信所からの標準電波を受信できる地域でしか時刻修正が行えない、つまり「世界のどこにいても正確」というわけにはいかないからだ。その点アストロンなら、世界のどこにいても正確で、しかも時差がわからなくても、ボタン操作1つで、時差を修正し現在地の正確な時刻を表示してくれる。この手軽さも大きな魅力である。
ただしGPSウオッチにも弱点はある。衛星からの時刻信号や位置情報を受信できない、屋内や屋根のある場所では時刻修正が行えない。しかしどんな辺ぴな場所でも、例えばアフリカのサバンナや太平洋の真ん中のようなところでも、空が見える、開けた環境なら時刻修正が行えるのである。
アストロンが時差を修正する仕組みはこうだ。世界には39のタイムゾーンがあるのだが、世界全体をあらかじめ約100万の区画に分割し、それぞれがどのタイムゾーンかという情報を記憶させておく。そして衛星からの位置情報によって現在地の区画が特定できれば、タイムゾーンがわかり、衛星からの時刻信号と合わせて正確な時刻が表示できるというわけだ。また現在地のタイムゾーンを一度取得しておけば、あとは、前回、時刻情報の取得に成功した毎日決まった時間に自動で時刻を修正してくれるので、手間をかけずにいつも正確な時刻を表示してくれる(手動で時刻修正する場合もボタン操作1つで完了する)。
それでは実際に異国の地に降り立ったとしよう。まず2時位置のボタンを6秒間押すとGPS衛星からの位置情報を受信し始める。そのとき、受信した衛星の数が1つなら「1時」を、2つなら「2時」を、と秒針が順番に指していく。そして無事に4つ以上の衛星を捕捉できれば「12分」の位置にある「Y」(YES=成功)を指したあと自動で針が動き始め、その地の正確な時刻を表示して完了。しかし3つ以下であれば「18分」の位置にある「N」(NO=失敗)を指したあと元の時刻に戻って終了する(その場合は場所を変えて再度試すか、手動で時差を修正する)。このように衛星という肉眼で見えないものを数えて可視化してくれるところが新鮮でおもしろい。
セイコー アストロンは、グローバルな行き来が必要とされるビジネスマンはもちろん、世界を周遊する豪華客船や国境をまたぐ国際列車の旅を楽しむ旅行者なども重宝しそうな、新時代の腕時計である。