握り拳ほどの空間にピンポイントで音声を生じさせるスピーカーシステムを、立命館大のグループが世界で初めて開発した。音声を人に聞こえない超音波に変えて複数のスピーカーから流し、波が重なり合う一点だけ元の音声に戻す仕組み。ヘッドホンに代わる美術館での作品説明や街頭広告などへの応用が期待される。
音は空気が振動する波として伝わるが、超音波は振動が速過ぎて人には聞こえない。このため、今回のシステムは「うなり」という現象を利用している。うなりは、振動の速さがわずかに違う波同士が重なると生じる振動が遅い波。うなりの波なら、人でも聞こえるため、超音波を空間の一点でうまく重ね合わせ、うなりで音声を再現させた。
超音波は真っすぐ進む性質があり、特定の方向に音が出る特殊なスピーカーとして実用化されている。重ね合わせる超音波を同一スピーカーから流すため、スピーカー正面ならどこでも音が聞こえる。グループは重ね合わせる超音波を別々のスピーカーから流すことで音が聞こえる領域を正面全体から空間の一点に絞り込んだ。
これまで10センチ四方くらいの空間で音声の再現に成功。グループの西浦敬信教授は「超音波が重なる範囲を工夫すれば、音が聞こえる範囲をさらに狭めたり、広げたりできる」と話す。成果は国内の電子情報通信学会論文誌に4月発表した。
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関係者の話によれば、世界で初めてなんて、ちょっと嘘。
博物館や美術館での実用化例もすでにあるとのこと。
コウモリに向けて超音波を発信すると、コウモリの発信する超音波と波が重なりあい、
人間の耳に聞こえる音でコウモリが鳴いているように聞こえるらしい。
この報告の重点は何か別の点にあるのではないかとの意見だった。