10年かけて生活の満足度を調査 悲観主義者は長生きするという研究結果が、科学誌「Psychology and Aging」オンライン版に掲載された。この意外な研究結果は、ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクとフンボルト大学ベルリンとスイスのチューリッヒ大学の合同研究チームが2月28日、発表した。 研究では、1993~2003年にかけて収集されたドイツ社会・経済パネル調査による3万人のデータを分析。データを年齢により、18~39歳、40~64歳、65歳以上と3つのグループ

10年かけて生活の満足度を調査
悲観主義者は長生きするという研究結果が、科学誌「Psychology and Aging」オンライン版に掲載された。この意外な研究結果は、ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクとフンボルト大学ベルリンとスイスのチューリッヒ大学の合同研究チームが2月28日、発表した。
研究では、1993~2003年にかけて収集されたドイツ社会・経済パネル調査による3万人のデータを分析。データを年齢により、18~39歳、40~64歳、65歳以上と3つのグループに分けた。
回答者は、毎年、現在の生活にどの程度満足しているか、また、5年後はどの程度満足していると思うかを記入。10年の調査期間の間に、研究者らは、5年後の予想と現在の状況との間で満足度が一致しているかどうか6回チェックした。
その結果、65歳以上のグループの約43%が将来の満足度を過小評価、32%が過大評価、25%が正確に予測していた。
楽観的な人ほど障がい・死亡リスクが上昇
自分の将来について楽観的に評価した高齢者ほど障がいリスクや死亡リスクが10%高くなることが分かった。反対に、悲観的な評価をした人ほど、健康で長生きすることが明らかになった。
また、健康状態が良好で、収入が高かった人ほど、将来について悲観的な回答をしていた。
研究チームを率いたフリーダー・R・ラング博士は、
「悲観的な予測をすることにより、自分自身の健康により注意を払い、危険から身を守ろうとするのではないか」
と語った。
一方で、若年者は高齢者とは反対に非現実的なバラ色の人生を描く傾向にあった。中年層は、概して現実的だった。