父親の年齢が高くなると、子供の精神疾患罹患率や学業成績にどのような影響が生じ得るかが、JAMA Psychiatry誌に掲載された最新研究で検討されている。2012年の革新的な遺伝子解析において、年齢の高い男性の精子中に驚くほど多くの偶発突然変異が生じ得ることが明らかになって以来、科学者らは、そのリスクをより的確に定量化し、記述するために、両者の関係を詳しく研究してきた。一部の研究では両者の結びつきが確認されたが、関係が見出されなかった研究もある。インディアナ大学の心理学・脳科学の准教授であるBrian D’Onofrioらは今回の最新研究において、傾向分析に伴う最大の問題のひとつに取り組んでいる。これまでの研究のほとんどは、年齢の若い父親とその子供を、別の年齢の高い父親とその子供と比較したものである。D’Onofrioらの研究チームはスウェーデンの出生登録データに目を向け、同じ父親をもつ同胞間の比較を行い、精神的健康および学業成績に関するさまざまな指標を検討した。その結果、父親の年齢が45歳以上のときの子供は、45歳以下のときの子供に比べてリスクが3.5倍高かった。また、父親の年齢が高い子供は、注意欠陥多動性障害(ADHD)の発病リスクが13倍、双極性障害のリスクが25倍、精神病リスクが2倍高かった。さらに、父親が若いときの子供に比べて、物質乱用の問題を抱えるリスクが2倍高く、落第のリスクも60%高かった。