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シンパシー
信じたくない事実を伝えられてから、数日が過ぎた。
まるで腫れ物でも触るかのように、誰もその話題を口にしなかった。
言葉にすれば辛い現実と向き合わなくてはいけないし、今後への不安が募るだけだから。
何処に居ても心が浮くことは無く、心の片隅に暗く沈んだ想いが影を落とす。
折角の休日なのに、今ひとつ楽しめない。
不意に友人から電話が掛かってきた。
「どないしてる?変わりは無い?」といつもの調子で話し掛けられると、半分泣きそうな声で胸につかえていた想いを話してしまった。
他人にベラベラと話して良い事じゃないのは理解(わか)っていたけど、自分一人で抱え込むには余りにも厳しい現実だった。
こういう時って、必ず誰かから電話が掛かってくる。
そして、私の心を救ってくれる。
自分勝手だけど、こういう時の友人の存在は本当に有り難い。
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