脳神経細胞が全般に機能低下してくると
未来については不安を
過去についてはうつを感じるのだろう
現在というものは厳密にはない
それとは別に
喪失体験を中核とするうつ状態がある
これが昔の精神分析派
喪失体験は概ね時間が解決するものだろう
また更に別に
内因性のうつ病がある
これは多分細胞時計の問題ではないかという意見もあり
その方面では細胞生物学が進歩しつつあるのでなにかわかるかもしれない
パニック、強迫性障害、SADなどはCBTで解決できることから行動理論がうまく当てはまる分野である
PTSDやASDについては理論上は行動理論が適合するはずだけれど
いまのところよくわからない
学習理論の極端な場合と思われるのだが
学習を解除するにはどうすればよいのか問題になる
最初に述べた全般性疲弊性不安抑うつに関しては休養をとることがまず大切である
そのうえで、行動や観念の不都合な連合が形成された場合にはそれを改善してやれば良い
だから治療としてはこれもあまり難しくはない
ただ、その治療期間長に、いろいろと悩むものだし、悩んでいると、昔の未解決の問題が噴き出してきたり、
未来の心配が突出してきたりするものだ
また性格的な偏りも問題になることも多い
それは満潮の時には問題にならなかった岩が、干潮になると海面から突き出て問題になるようなものだろう
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抗うつ剤がうつにもパニックにも効いて、躁状態には効かないというのも、おかしな話
抗躁薬はうつ状態の予防にもなると言われているので、こちらは躁状態とうつ状態の共通の病理に効いているのかもしれないが
私見は別で、
躁状態を抑制するから結果としてうつ状態を抑制するだけである
抗うつ剤の作用としては神経栄養作用のような
非特異的な、神経再生に役立つ成分というところなのかもしれない