原発がある限り、事故がなくとも定検で放射能に汚染されながら働く原発労働者は不可欠だ。その存在を、その存在に対する差別をあたかもないかのように隠蔽してしまうことに、あらゆる差別問題の原点がある。
より大事なのは、原発が通常運転をしていても、「許容値」という名の下に一定量の放射能を漏らしており、それが人体に非常に危険なことです。
原発の運転・維持のために、被曝労働が構造化されており、原発はそれ自身が巨大な人を被曝させる装置であり続けてきたのです。
私たちが何度も確認しておかなければならないのは、原発の問題は、被曝問題だということです。とくに低線量内部被曝の危険性が隠され、たくさんの人々が被曝させられながら、この政策が貫かれてきたことです。政策遂行者には加害責任があります。
この点を抜きに、原発問題をエネルギー問題として、また廃棄物処理問題としてとらえることは非常に危険です。なぜか。現在も放置されたままの大量被曝の現状、福島をはじめ東北・関東の多くの人々が、継続的に被曝を強いられている現実から目をそらされてしまうからです。